ゴミ屋敷化させる心理の中に「捨てるなんてもったいない」という思いもあることでしょう。

以前、長屋形式のアパートに住んでいるおばあちゃんで部屋の中をダンボールで埋め尽くしていた人がいました。

この方は珍しいタイプで、ものすごい量のダンボールを、整然と積み上げ、崩れないようにひもやガムテープで固定していました。

部屋の両サイドにダンボールの壁ができ、残っている空間は狭くなり「廊下状態」になっていました。

台所などはきれいなものです。

几帳面な性格だけど、一人住まいの孤独感から部屋を物で満たさないと淋しいんだろうなぁ、と思って話していました。

私のおばあちゃん人気はなかなかなもので、初めて訪問するうちがほとんどなんですが、ほとんどの人がしばらく話すとハートをオープンにしてくれます。

「こんなによく燃える物がいっぱい積んであったら、もしもの時、危ないですよ」

「・・・でもねぇ、要る物だから」

こりゃどうも、「こんなもん使うことないでしょ」なんて言えないムードだぞ、と思いました。

「それに、火事にでもなったら避難できないじゃないですか、こんなに狭くなってたら」

「うーん、じゃあ考えてみます」

と言ってくれましたが、おそらくなんの変化もなかったことでしょう。

火災予防条例では、風呂とかかまど、ガステーブルなど火気使用機器の基準、たとえば壁からの離隔距離などの規定はありますが、部屋にダンボールが置いてあっても、そこは基準にないので条例違反ではないのです。

さすがに指定可燃物の届け出対象となる量でもないし。

なので、アドバイス的に申し上げた、という感じです。

一方、無秩序生活ゴミ堆積タイプのおじいさんがいて、救急出動で行ったら、煙草を吸っているのです。

部屋はゴミ袋の山。

おじいさんのいる周囲の畳は煙草の焼け焦げだらけ。

しかも、緊急性のない病状。

救急隊員の接遇についてうるさく言われる時代になっていましたが、思わず、

「ちょっと、この焼け焦げはどういうこと! あんたねぇ、これ、いずれ火事になるよ! こんなゴミだらけの中でそんなふうに煙草吸っとったらいかんだろ!」

というと、それがどうした的な反抗的な態度を取るので、気がつくと私はでかい声で延々と説教をはじめていました。