偶然

救急出動の中でも、ありえないくらいレアなケースを経験することがあります。

交通事故現場から負傷者を救急搬送する途中に、別の事故現場に遭遇するということは何度かありました。

それも、大雪が降った日とか路面が凍結した日であればさほど珍しくもないのですが、普通の日にです。

出動種別が異なりますが、
ある旅館でお客さんが呼吸停止している、という要請で風呂の脱衣所に向かっている途中で、別の客室に来てくれと宿泊客が言うのです。

あれ、場所が違ったのかな? と行ってみると別件で、ほぼ同時に二人が別の部屋で心肺停止していたのです。

世界遺産登録運動をしている投入堂で有名な鳥取県三朝の三徳山(みとくさん)は、修験者が修行した山なので、三佛寺から投入堂に行くまで峻険な道が続きます。

「日本一危険な国宝参拝」と言われるくらい毎年のように滑落者が出ます。

私も何度か救助に行きましたが、長丁場になるのでたいへんでした。

登山道の入口にある三佛寺まで行くのさえ、長い石段が延々と続くので、たいへんなのです。

ジャンル的に年配の観光客が多いので、登山までしないで三佛寺に、という人までよく具合が悪くなります。

三佛寺前で人が倒れた、という要請で向かったことがあります。

素手で登っても、長い石段が延々と続くのでたいへんなところを、ストレッチャーを持って上がるので、しかも急いで行くからけっこうこたえます。

三佛寺に向かう途中、「こっちこっち」と招く人達がいるので、確認すると要請のあった人とは別の人が意識を失って倒れていたのです。

応急手当をしながらもう一台救急車を呼びました。

先輩の経験談ですが、二人住まいの老人家庭に救急で行くと、二人が並んで布団に寝ていて、

「どちらが病院に行かれるんですか?」と尋ねると、

「どっちも」と答えたので、結局二人とも搬送したそうです。

それもレアなケースかもしれません。

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