同じ夢

消防に勤務していた頃、年に何度か見る夢がありました。

ひとつは、いざ火災出動! という時に、素早く防火衣を着て消防車に乗車しなければならにのに、急ごうとしても体がスローモーションのようにしか動かない、というパターン。

もうひとつは、現場に到着して、背負器(折りたたんだホース3本が収納されている)を背負って現場に向かうのに、いくら焦っても走るスピードが、やっぱりスローモーションのようにしか走れない、というパターンです。

おそらく、32年間の消防生活の中で、毎年5回程度は見ているのではないかと思います。

jibun02

現実では、一度も防火衣着用が遅れて消防車両に取り残されたことも、ホース延長が遅れたこともありません。

考えてみれば、日常生活では考えられない特殊な光景を何度も見て来ているので、そっち方向の夢を見てもよさそうなものです。

人間が人としての形状ではなくなっているのを何度も目にして来ました。

救急現場で、切断された腕や指を探して発見したことも何度かあります。

火災調査で現場を発掘して、焼死体を発見したことも何度もあります。

警察との合同調査で、遺体の表裏の状態を写真撮影したりもしました。

それなのに、そんな夢を見てうなされて起きた、なんてこと一度もありません。

そんな衝撃的な映像の夢は見ないで、防火衣をなかなか着れないという超シンプルな夢ばかり見るって、どういうことなのかなぁとよく考えました。

夢分析の資料を見ると、「あせる」は「現実生活でも余裕をなくしている時に見る」とあります。

日常生活の中にずっとどんよりと心の中に溜まっていた拘束感のようなものが、そんな夢を見させたのではないかと、最近は思うようになりました。

そういう意味では、ゆったりとしたメンタルヘルス的な面で余裕のある生活ではなかったのかもしれません。

24時間、召集の電話がいつかかってくるのか分からない生活でした。

気象注意報が発令されれば、「おっと召集かかるかもわかんねえから晩酌を控えるか」という生活。

休みの日には、台風が来るたびに召集を意識したり、遠くでサイレンの音が聞こえると火災で召集があるのではないか、と反射的に考えていて、常にじんわりと束縛感がありました。

仕事なのでそれが嫌だというわけではないんですが、24時間体制の束縛感という精神的な抑圧が潜在意識に長年かかって蓄積していたのではないかと。

退職する前の2年間は、よっぽどの大災害でなければ召集されることのない事務系の部署に配属されていましたが、やっぱりそんな夢を見ることがありました。

仕事を辞めてからは、仕事がらみの夢をほとんど見ていません。

と言うか、美女に囲まれる夢も、ゾンビに追いかけられる夢も、全く見ません。

これって、単にジジイになったってことかと思っていました。

普段、5時間睡眠なのですが、ついこの前、珍しく7時間寝ました。

目覚めてももう一度寝る、みたいなことを続けていたら、まぁ見るわ見るわ。

6本立てくらい見ました。

なのに、やっぱり美女に囲まれるロックンローラーらしい夢は見ませんでした。

残念!!(^_^;)

サブコンテンツ

ページトップへ