苦肉の策から方言ソング

方言ギャグソングを作り始めて13年が過ぎました。

厳密に数えてはいなのですが、ごく短い曲も含め、自作曲は300曲を越えました。

方言ギャグソングはその一割くらいです。

いつの間にか、その自作曲の中ではメインではない方言ギャグソングを中心にライブメニューを組み立てるようになりました。

一時期は、方言ソングを封印したいと思ったころもありました。

しかし、賛否両論いただくものの、たくさんの方に喜んでもらえるならと思い直し、今も継続して歌っています。



県外で歌う時も、自己紹介がてら、比較的わかりやすいと思われる方言曲を選び、最低でも1曲は歌うようにしてきました。

ところが、これが予想以上に通じないのです。

確かに、鳥取県内でも東・中・西部では、「これが同じ県の言語か」と疑いたくなるほど著しく異なっています。

それでも、県内ではどこで歌ってもほぼ同じポイントで笑いが起こります。そんな方言曲を、県外で歌う機会が何度もありましたが、いつものポイントでまったく笑いは起こりませんでした。
 5年前、「おいしい鳥取」という食のみやこ鳥取県キャンペーンで、東京駅近くの大きなレストランで方言曲を歌いました。

目の前で聞いていたのはお酒の入ったサラリーマンばかりでした。

「さっぱりわかんねえよ」と言われ、「いやいや、いくらなんでも半分は意味わかるでしょ」と言うと、「8割…いや、9割わかんねえなあ」と言われました。

それだけならまだしも、「鳥取県って日本の北にある県だろ」と真顔で言われ、思わず、その場に正座させて鳥取県についての情報を諄々と説いて聞かせてやろうと思いましたが、勿論思っただけです。



その後、関西の友人からも「オチがどこかもわかれへんわ」と言われ、かつて一世を風靡した文学者高見順が獄中で「転向」を表明したように、悲痛な思いで県外での講演では方言曲を封印しました。

しかし、そのままおめおめと引き下がるわけにはいかないので、「鳥取県クイズ」に切り替えました。二度と鳥取県が東北にあるなどと言わせないために。

出題してみると、島根県との混同され率は高いものの、「山陰」の認識は意外に高いことを知りました。

もしかしたら、酔っ払いのサラリーマン氏にからかわれたのかもしれません。

今後も、私のささやかな鳥取県PR活動を継続するためにも、早めにスタバとすなばで実際にコーヒーを飲まなければ、と思っているところです。

(日本海新聞「潮流」2015年6月9日掲載)

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