里帰り

私のライブ、講演で、ほぼ毎回歌う曲があります。

ずいぶん前に作った「里帰り」という歌です。

歌の間に語りを挟むという、まぁ僕の常套手法ですが、歌部分はフツーな歌で、語り部分で笑いをとるという構成です。

テーマは、都会に行っている子供が里帰りしたときの親の心情を歌にしています。

語りの前半部は、めったに帰省しなかった長男が、成人式のときに帰って来た時のことをテーマにしています。

登場人物の名前は本人式のときに帰って来た時のことをテーマにしています。

登場人物の名前は本名にすると、さすがに当人からクレームがつくと思い、「コージ」にしています。

長男は当時、横浜の古着ショップでバイトしていたこともあり、派手な古着を着て帰ってきました。

それをネタに、歌の中では、母親が穴の開いたジーンズを見て、

「どがでそれがおしゃれだいや。膝が破れたやなジーパンはいて、品が悪い」

と方言でくどくどと文句を言うという構成です。

後半は、都会に出た娘に対して、

「『アンケート、ちょっといいですか』なんて言う男子、相手にすんなよ」

などと説教するという構成です。

そして、その語りのエンディングで、

「都会はなぁ、こっちと違っていろんなことがあると思う。

えらい(苦しい)ことや、腹の立つことは我慢できても、

寂しいのだけは我慢ができん。

くたびれて、寂して寂してかなわん時にはなぁ、

いつでも帰ってくるだぞ。

ええなぁ、そん時はなぁ、お母ちゃんがごっつい、

そらもぉごっついごっつぉ(ご馳走)したるけぇ」

ずっと笑っていたのにこの語りのあたりでは、同じ経験を持つ方なのか、泣いているお客さんがけっこういます。

当時、長男も次男も、毎日のように友達をつれて来て、楽器の音や大声で、まぁ騒がしいったらなかったんですが、

いざ都会に出てしまうと、その騒々しささえもが、懐かしく思い出されます。

翌日は睡眠不足で仕事に出ていましたが、息子も息子の友達も可愛くて、今思えば睡眠不足でさえいい思い出です。

ライブのお客さんの年齢層はまちまちなので、ただひたすら笑い転げる人や、歌い出しからウルっときて、笑いをとる予定の語りの部分でもおお泣きしている女性もいます。

歌詞自体は至ってシンプル。
そのまんまの歌詞です。
久しぶりのふるさとは
君にどう映るだろうか
どことなく変わった姿に
親は胸をしめつけられる

久しぶりの友達が
君をたずねてやって来た
昔みたいに大騒ぎ
こんな時間が続けばいいね

子供の頃とかわらない
君の笑顔は昔のまま
いつの間にか大人びた
言葉づかいもおかしいね

またすぐに遠くの暮らしに
帰っていく君がいとしいが
慌しい都会の中でも
きっと君はがんばれるはずさ
元気で
がんばれ

以前、「物より思い出」というコピーが印象的なCMがありましたが、まさしくそうだなと思います。

子供が一緒にいた頃も、離れて暮らしていた頃も、

仲良く遊んだ頃も、思春期で反抗された頃も、

心の中にはいつも一緒にいるので、すべての時間がクリスタルな、大切な時間だと感じます。

今も、そしてこれからも大切な一瞬一瞬を味わいながら過ごしたいと思います。

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