労働災害に救急隊員や救助隊員として出動してきた一消防士の印象では、労災事故の「不安全な行動」の奥には、メンタル面での問題がある場合が少なくない、と感じてきました。



7月1日は、米子市でイワタ建設株式会社様の安全大会での講演でした。

ここ数年は、労災事故・交通事故ともに救急搬送件数は減少傾向にあります。

私のかつて勤務した消防局は、鳥取県の3つの消防局の中でも、一番人口の少ないエリアを担当している関係で、出動件数も他局よりかなり少ないです。

数ある救急出動事故種別でも、労働災害の件数は多いほうではありません。

昨年平成28年の救急出動件数を見ましても、

急病   3,608,222件
一般負傷  847,568件
交通事故  476,634件

など上位3種に対して

労働災害   50,785件

という件数です。

これはあくまで全国の出動件数の累計の数字です。

これが鳥取県になりますと、

労働災害    174件

と、とても小さい数字になります。



それでも実際に出動してきた私の印象では、「少なくない」と感じていました。

救急隊員にとっては、一件の労働災害の出動が記憶に残ります。

なぜなら、日常的に出動している急病や一般負傷などとは違って、一件の現場が印象に強く残るからです。



労災の事故原因の奥にメンタル面の問題があった、と感じるのには理由があります。

上記の労災出動件数でも分かるように、鳥取県は日本一人口の少ない県です。

私のいた鳥取県中部消防は、さらにその中でも一番小さなエリアを担当しています。

都会と違い、労災現場でも関係者が知り合いである確率が非常に高く、現場で警察刑事課の方と一緒に状況を聞き取りしている段階で、「不安全な行動」に至った原因と思われることを話されることが往々にしてあります。

あるいは後日、事故にあわれた方本人と話す機会があることもあり、メンタル面での不調についてお聞きしたこともありました。

悩み事からの睡眠不足や集中力の欠如

精神不安定状態

など、家庭の問題や職場の人間関係など、その奥にはいろいろな問題を抱えていらっしゃったようです。

メンタルヘルスが、いかに安全に不可欠なものであるのかを、ひとつひとつの事例が教えてくれました。


そんなお話をさせていただき、メンタルヘルスについて、チームワークの重要性についてお話させていただきました。

終始真剣に聞いていただけて、講師としてやり甲斐を感じさせていただきながら話ができました。

ありがとうございました。