「安全にはいつも気をつけていたのに!」

労災事故現場でよく聞く言葉です。

業種によってその危険性の種類は様々ですが、危険性の高い業種ほど安全教育が徹底されています。

安全管理規程では、細部にわたって危険回避のための基準が、網の目のように張り巡らされています。

それでも、事故はゼロになっていません。

どんなに素晴らしいマニュアルでも、実行するのは人間なので、心の動きにどうしても対応できない場合があります。


安全にはいつも気をつけていたのに!

12月7日に、一般社団法人鳥取県管工事業協会さんの安全研修会の講師をやりました。

演題は「消防現場に学ぶ安全管理と心の健康」。

専門工事業加点研修会なので、試験問題も作らせていただきました。

消防士時代には、厳しい安全教育を受け、少しでも気を抜くと、現場でも訓練時でもその影響がすぐに表れるシビアな世界でした。

そんな消防士時代の実際の現場のエピソードを紹介し、刻一刻と状況が激変する一筋縄ではいかない現場の難しさと、人の心に巣食う安全を阻害する要素についてお話しました。

いつも安全管理を徹底しているつもりでも、マニュアルどおりにやるだけでは、アクシデントに対応できない場合があります。

それを補うのが、その場にいるチームなのです。

それなのに人間関係がうまくいかないために、マニュアルにはないもうひと言を伝えなかったために、起こった事故もありました。

消防も、相手が自然現象だったり、人間の制御から外れた機械だったりするので、予想もつかないそれらの動きをマニュアル化することなど到底ムリな話です。


個々人の日頃のメンタルの不健康が、安全性を左右することもあります。

職場の部署ごとのチームワークも大きく影響します。

そんな内容を、実体験をまじえてお話させていただきました。

加点対象の研修会なので、歌はなしにしようかと思ったのですが、

「ぜひ、歌も入れてください。その方が集中力が途切れずに聞けますから」

と言われたので、歌も数曲入れました。



一週間後に、アンケートの結果を送っていただきました。

その一部の方の感想を紹介します。

「いつもの講義と違って、大変楽しく、ためになる内容でした」

「身近な人に、軽いうつ病のある人がいるため、参考になった」

「自社の教育資料としてして活用したいと思います」

「たいへん心に残る研修会でした。またこの講習に参加したい」

「今までの中で一番よかったです。心の奥に残りました。元気を頂きました。2時間があっという間に感じました」

「実際のいろいろな現場の話は印象に残りました。身近な人の悩みとか聞いてあげるようにしたいです」


そのほかにもたくさん書いていただきました。

嬉しかったのは、研修の内容を実生活に活かしたいという言葉が多くあったことです。

それに、重たいエピソードもあったのですが、「楽しかった」という意見もたくさんあったことも嬉しかったですね。

2時間という長い時間でしたが、みなさん最後まで真剣に(狙ったところでは笑っていただき)聞いていただいて、こちらも力が入りました。

「安全」という言葉は地味だが、一番大切なもの

このことをリアリティーを持って再認識していただくことを目標に、さらに精進していきたいと思います。