湯梨浜Ark掲載記事

2014年5月に刊行された湯梨浜町のウォーキングリゾートブック「湯梨浜Ark」の記事に、私を登場させていただきました。

もっと知りたい まちの湯梨浜人

湯梨浜町(ゆりはまちょう)ってどんな町?

歩いてみると、いろんなことに出会ったり、発見したり。

湯梨浜に生まれたヒト、育ったヒト・・・
湯梨浜で働くヒト、学ぶヒト・・・

ゆりはまの魅力を、縁あるヒトたちに、語ってもらっちゃおう!!

東郷池を歩くなら夕暮れ時に
シンガーソングリライター講演師 石川達之

湯梨浜町といえば、山も海も川ものもある町です。
二十世紀梨の名産地として全 国的にも知られた町でもあります。
かつては私の実家も梨の生産農家でした。

私が遊びたい盛りの子供の頃、梨の袋かけ作業を嫌々手伝わされていました。
生産農家の家に生まれた不運を嘆きつつも、急勾配の畑から見下ろす夕陽に輝く東郷池だけは、子供心にもとても美しく感じられました。
その頃に見た景色が心のどこかに染みついていて、都会で暮らす日々の中で思い出すのは、まばゆく西日を照り返す屋根瓦や東地池の輝きでした。

絶対に帰省して住むことはないだろうと思っていたのに学生生活が終ると、上京した時の思いを節操もなく翻し、即座に帰省してしまいました。
ふるさとに住むということは、日々その土地の美しさを感じるというより、日常生活に溶け込んだもっと地味なものです。

それでも、今も夕暮れ時に見る東郷池は、一瞬自分が旅人のように感じられるほど新鮮に見えたり、切ないような懐かしさを感じさせたりしてくれます。

たまに湖にある露天風呂につかりながら、郷愁にひたります。
都会の喧噪の中で静かな郷土を思う時のように、目を細めてめてシブく言葉を発とうと思っても、出て来る言葉は、「なんちゅうええだいやごっついええ眺めだがな。この景色眺めながら温泉につかるが一番の極楽だわいや。なんてかんて言えんわ」などと、シブイどころか、まるで村の古老の一人語りのようにしゃべっている自分に呆れてしまいます。

何がともあれ、湯梨浜に来たなら、ぜひ梨畑を含めての東郷池の風情にひたってみて下さい。
それも夕暮れ時に。