がんばったのに評価されない

あんなにがんばったのに、誰もほめてくれない!
一生懸命やっても、がんばってがんばってやり遂げても、誰一人それを認めてくれない!

そんな経験ありませんか?

あなたにもきっと、一度や二度はあるはずです。
いやいや、何度も何度もあったかもしれませんね。

私の元職業の「消防」は、そんな連続でした。

どんなに命がけで作業しても、「助けて当たり前」です。

「ありがとうございました」という感謝の言葉をいただくことは、めったにありません。

人間関係では、「無視」されることが一番つらいと、よく言われます。
でも、消防現場では、手助けしてくれないんなら「無視」してくれよ! と言いたくなる場面が多いんです。

2重衝突事故など、車が横転して大きく変形している場合など、救助隊が工作車で出動して救出するんですが、かなりシビアな状況なんです。

細心の注意を払わないと、救助隊員自身が大怪我しますから、慎重かつスピーディーに作業を進めます。

が、そこに、多くの場合・・・野次馬という種族が登場するんです。
事故車両の損傷が大きければ大きいほど、作業に時間がかかります。

そうなると、よけいに野次馬の人数が増え、人垣ができることもあります。
「おーい、消防! 何やってんだぁこらぁ! 早く助けろよ!」
なんて調子で怒鳴られます。

事故が夜中で、繁華街の近くだったりすると、更にそれに加えて、
「何やってんだぁ、この税金泥棒がぁ!」

火災の消火作業でもそうです。

場合によっては体力の限界まで、長時間活動しても、誰もほめてくれません。
「なんでもっと早く消せなかったんだ!」
と言われるくらいです。

どんなにがんばっても、どんなに的確に作業しても、基本ほめてなんてもらえない職業です。

最初の頃は、無力感と言うか、満たされない気持ちになりました。
しかし、野次られるたびに落ち込んでいては仕事になりません。

そこで私は考えました。
そうなると、自分で自分をほめてやるしかないな、と。

「よおし、俺はがんばった!」
「俺ってやるじゃん!」
「さすがぁ、この俺!」

人前言えばさすがに「ヘンな人」目線で見られるので、一人の時のみに、声に出して自分に言ってやりました(笑)

そのおかげで32年間も仕事を続けられたのかもしれません。