心の風通しをよくする時期

昨年から続くコロナ禍のせいで、今年も決まっていた講演のいくつかが中止になりました。

中には、「昨年の予定が中止になったので今年こそ」という思いでご依頼いただいた講演もあったのですが、残念ながら第5波(2021年9月現在)がきてしまったために、またも中止という講演もあります。

最近いただくご依頼の多くは、コロナ禍が長くつづいてストレス度が高くなっているので、気持ちがスッキリして元気が出るような話と歌を聞きたい、というのがご指名理由でした。

ふだん以上に笑って泣いて心の整理をしていただこうと、内容もいろいろと考えて準備をしていたので、ほんとにとても残念です。

このコロナ禍だからこそ、今まで以上に心の整理をする必要があると感じています。

実際の部屋が身動きできないほど物であふれていては、火災発生時に避難するのも困難になりますし、鎮火するまで相当時間がかかることになります。

部屋と同じように、心の中も心配事や悩み、不安、ストレスがところ狭しと蓄積していけば、感情も動けなくなり、生きづらくなります。

体と心をストレスから守るためには、まずは心の中をスッキリと整理しましょう。

誰かと話すことで心の中の風通しがよくなる

以前、整理収納アドバイザーの先生といっしょにセミナーの講師をやらせていただいたことがありました。

そのときは、私が消防士時代に感じていた部屋の状況と住人の心の関係や、内部が荒れた住宅が何度も火災をだしていたことなど、安全面についてお話をしました。

ゴミ屋敷状態の家屋の火災にも何度か出動しました。

部屋が荒れていき、ゴミ屋敷化する原因はひとつではなく、住人の精神状態や身体状態によって違いますが、住人の「孤独感」が強いことが原因の場合もあります。

私が消防士時代には、ご高齢の方のお宅を訪問し、防火診断をすることがよくありました。

たくさんのご家庭を訪問しましたが、ゴミ屋敷状態に近い家庭もありました。

親戚やご近所とのつきあいもなく、孤独と不安を抱えながら生活していることが、話しているとよくわかりました。

仕事でお邪魔しているので、そうそう長居はできなかったのですが、いろいろ話しているうちに、硬い表情がだんだん柔らかくなり、心のうちを話してくださる方もいました。

心の中がネガティブな感情で埋まってしまわないように、誰かと話すことだけでかなり風通しがよくなることがわかりました。

心の中に風を通す

このコロナ禍で話したくても話せない という期間がとても長くなりました。

減少傾向にあった自殺者数でしたが、2020年は11年ぶりに増加に転じました。

まだまだ予断を許さない新型コロナの感性状況ですが、このまま同じような状況が続けば、大人も子どもも心の中の風通しはよくなりません。

しかし、心の中が荒れ放題にならないように、親しい者どうしで、意識して連絡をとりあうことが大事になりますね。

今は、年齢にかかわらずSNSを楽しんでいますが、楽しんでいるつもりが、SNSに振り回されてしまって、よけいにストレスを溜め込んでいる人も多いようです。

コロナ禍で人とリアルに会えないから、よけいにSNSに頼ってしまうということもあるかもしれませんが、文字のやりとりで傷つけられることで、メンタルを病んでしまう人もいます。

私は、消防士時代にそんなふうに心無いひと言をかけられたことが原因で、みずからの命を絶ってしまった人を救急搬送したことがあります。

残されて泣き叫ぶ家族の姿を見ると、そんな言葉をかけるような人と出会わなければ助かったのに、と無念さがこちらにも伝わってきました。

実社会でも、SNSでも、自分に不愉快な思いを抱かせる人を、拒絶したり距離を置いたりすることには抵抗があるかもしれません。

しかし、それも心の中の、いや自分の人生の整理整頓だと思って、あえてやれば、心の中の風通しがよくなると思います。

SNSではなくても、スマホをつかってのやりとりが自由にできる時代なので、自分の心にしまい込まずに、グチをこぼしたり、悩みを話したりすることが、なにより大事ですね。