初めての子育てで悩まない親はいませんよね。
痛みや苦しさは、自分のことなら我慢ができても、それが子どものことになると、親としてはたまらないほど切なくなります。
どうしてあげるのが子どものために一番いいのか、答えがなかなか見えません。
私たち夫婦もそうでした。
迷い、悩み、苦しんだ時期もありました。
子どもが成長して社会人になり、今では一緒にお酒を飲みながらそんなころの話をします。
子どもが反抗期の頃に、我が家の壁にたくさんのブラックホールが、子どもの拳により制作されました。
妻はそれを苦にしてましたが、私はあまり気にしませんでした。
自分自身が問題児だった体験が、幸いしたのかもしれません。
お酒を飲みながら息子に、
「あの頃、どうしてあんなに壁やドアに八つ当たりしたんだ?」
と聞くと、
「ん~、なんでだったのか覚えてないなぁ。なんかむしゃくしゃして面白くなかったんだろうなぁ。
お父さんよく我慢したなぁ。俺だったら殴ってたかも」
と、お前が言うか! と言いたくなるような回答でした(笑)
昨日は、鳥取私立美保南小学校の保護者会主催の講演会で話し、歌いました。
話しながら会場の皆さんをみると、たくさんの方がハンカチで涙を拭いていました。
自分たち夫婦もそうだったように、不安なこと、心配なこと、たくさん抱えておられるのだなあと思いながら話しました。
「お話を聞いて、とても気持ちが楽になりました」
と言ってくださる方や、
「子どもをもっと愛せるようになった気がします」
と言ってくださった方も。
みなさんが、十年、二十年先に、笑いながら親子で答え合わせをしていらっしゃる姿を想像しました。