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子どもを支える人の心も大切に|保育士研修で伝えた心の健康

「泣き笑いと、ほっこり。元気が出ました」

講演後、参加された方からいただいた言葉です。

2017年11月10日、鳥取県米子市で開催された「日本保育協会中国・四国ブロック研修会」で、講演をさせていただきました。

参加されたのは、中国・四国地区の保育園の理事長さん、園長さん、保育士さんなど、保育に携わる皆さんです。

2日間にわたる研修会の2日目、午前10時から90分間を担当しました。

演題は、「救急現場が教えてくれた心を元気にする方法」です。

子どもを支える人の心も大切にしてほしい

日本保育協会研修会で歌う石川達之

保育士さんは、子どもたちの成長を支えるだけではありません。

さまざまな事情や悩みを抱える保護者と向き合い、ときには、その心に寄り添うことも求められます。

私の妻も保育士です。

保育現場の大変さについては、妻からも聞いていました。

もちろん、私は保育の専門家ではありません。

しかし、消防士として救急現場に出動し、心の弱っている方や、突然つらい出来事に直面したご家族と接してきました。

その経験を通して学んだことなら、保育に携わる皆さんにもお伝えできるのではないか。

そして、毎日誰かを支えている皆さんに、少しでも心を温かくして帰っていただきたい。

そんな思いで講演を組み立てました。

励ますつもりの言葉が届かないこともある

講演では、「心の弱っている人との会話」についてお話ししました。

保育士さんや園長さんは、日頃から傾聴や保護者対応について学んでおられます。

それでも、相手を慰めたり励ましたりするつもりで口にした言葉が、相手の心の状態によっては、かえって苦しさを深めることがあります。

たとえば、

「終わったことは忘れなさい」

「あなただけが不安なわけではない」

「考え方や感じ方を変えてみなさい」

こうした言葉は、元気なときには前向きな助言として受け止められるかもしれません。

ところが、心が弱っている人には、

「自分の苦しさを分かってもらえなかった」

「こんなことで悩む自分が悪いのだろうか」

と感じさせてしまうことがあります。

すぐに答えを出そうとするのではなく、まず、その人が何に苦しみ、どんな気持ちで話しているのかを受け止める。

消防・救急現場で多くの方と接するなかで、私は言葉の難しさと、ただそばにいることの大切さを教えられました。

保育の専門家でも、わが子の前では一人の親

講演では、子育てについてもお話ししました。

参加者のなかには、仕事で子どもたちと接しながら、ご家庭では自分の子どもを育てている方もいらっしゃいます。

保育について学び、たくさんの子どもを見てきた方でも、わが子のことになると悩むことがあります。

私の妻も同じでした。

仕事では子どもや保護者に寄り添っていても、自分の子育てになると、

「これでよかったのだろうか」

「もっと違う接し方ができたのではないか」

と悩むことがあります。

子育てに100点満点はありません。

思いどおりにいかなかったり、余裕をなくしたり、ときには言い過ぎて反省したりします。

それでも、悩みながら子どもと向き合っている姿は、少しずつ子どもにも伝わっていくのではないでしょうか。

完璧な親になろうとして自分を責め続けるのではなく、

「今日もよくやった」

と、自分自身の頑張りを少し認めてあげることも必要だと思います。

「幸せは、つかむものではなく、気づくもの」

消防士として救急現場に出動していると、それまで当たり前だった日常が、突然失われてしまう場面があります。

朝、家族と普通に言葉を交わしたこと。

一緒に食事をしたこと。

名前を呼べば返事が返ってくること。

私たちは、何か特別なものを手に入れたときに幸せになれると思いがちです。

しかし、救急現場でさまざまな人生に触れるなかで、私は、

「幸せは、つかむものではなく、気づくもの」

ではないかと思うようになりました。

慌ただしい毎日を送っていると、身近にある幸せほど見えにくくなります。

だからこそ、ときどき立ち止まり、家族や職場の仲間、目の前にいる子どもたちとの時間を見つめ直してみる。

それが、自分の心を少し元気にすることにもつながるのだと思います。

「泣き笑いと、ほっこり」と言っていただいて

90分の講演では、消防・救急現場での体験や家族との出来事、歌も交えながらお話ししました。

後日、参加された方から、次のような感想をいただきました。

生命の尊さへの思いが伝わってきました。


家族を超えた「ありがとう」のメッセージがあったように思いました。


泣き笑いと、ほっこり。元気が出ました。


「幸せは つかむものではなく 気づくもの」の言葉を心に、ゆったりと周りの人に接していきたいと思いました。

子どもや保護者の心に寄り添う仕事は、喜びの多い仕事であると同時に、心の力を使う仕事でもあると思います。

人を支える人ほど、自分の疲れや苦しさを後回しにしてしまうことがあります。

けれど、支える側の人にも、立ち止まる時間や、誰かに話を聞いてもらう時間が必要です。

子どもや保護者を支える皆さん自身の心も、どうか置き去りにしないでください。

ご参加くださった皆さん、そして研修会を準備してくださった関係者の皆さん、本当にありがとうございました。

保育士・福祉関係者の研修を企画されている皆さまへ

保育士研修や福祉関係者の研修では、消防・救急現場での体験や家族との出来事、オリジナルソングの弾き語りを交えながら、心の健康、寄り添う言葉、自分自身の心を守ることについてお話ししています。

忙しい毎日のなかで少し立ち止まり、自分の心や身近な人との関係を振り返る時間を、皆さんと一緒につくれたらと思っています。

講演内容については、心の健康講演会の案内ページをご覧ください。

項目

内容

研修会名

日本保育協会中国・四国ブロック研修会

日時

2017年11月10日(金)

演題

救急現場が教えてくれた心を元気にする方法

場所

鳥取県米子市・米子ワシントンホテルプラザ

主催

日本保育協会中国・四国ブロック

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