2026年7月11日(土)、八頭町連合婦人会の人権講演会でお話をさせていただきました。
講演の開始は午後7時。とても暑い日の開催にもかかわらず、たくさんの方が会場へ足を運んでくださいました。
八頭町で人権講演会の講師を務めさせていただくのは、2023年以来、今回が2回目です。
こうして再び声をかけていただけることは、本当にありがたいことです。
ストレス解消には「笑い」

今回は、3年前とは違うオリジナルソングを用意しました。
ストレス解消には「まず笑い」ということで、スタートはギャグソングで笑っていただきました。
クスクス笑いが、だんだん大きな笑いへと変化するのが、講演者としてはとてもうれしのです。
「あるある」
「そうそう」
とうなずき、隣の方と目を見合わせて笑う方もいらっしゃいました。
「支え合い」を「支え愛」に
この日の演題は、「思いやりと笑顔で支え愛」でした。
家族や友達と話す。その会話の輪を、少しずつ地域へ広げていき、愛で支え合いましょうという「支え愛」。
鳥取県では「支え愛マップ」という言葉で浸透してきています。
「支え愛マップ」とは、災害時に誰かの手助け・声かけを必要とする人、声かけができる人、避難先などの情報が書き込まれた地図のことで、鳥取県。
あらかじめ支え愛マップを作っておくことで、災害時には地域での避難に役立ちます。またマップの作成にあたり地域のことを皆さんで話合う中で「日ごろからのつながり、支え合い」を考えることにつながります。
(鳥取県危機管理ホームページより)
ひとりで頑張らなくてもいい。
地域には仲間がいます。
特別なことをしなくても、普段の何気ないひと声から「支え愛」は始まります。
「最近、どう?」
「顔が見られて、うれしいわ」
「無理しとらん?」
元気そうに見える人でも、誰かに気にかけてもらうとうれしいものです。
「支え愛マップ」についてこちらのブログに書いています。
人はみな「自分は死なない」と思っている(支え合いマップに教わる)
一人ひとりが、地域の見守りセンサー
地域で暮らしていると、いつもとは少し違う様子に気づくことがあります。
「最近、集まりに出てこられんな」
「電話の声に元気がないな」
「ゴミ出しに来られんようになったな」
「家の灯りが、いつもと違うな」
「畑に出ておられんようになったな」
これは、決して詮索をするということではありません。
一人ひとりが地域の見守りセンサーとなり、小さな異変に気づくこと。その気づきによって、救える命があるかもしれません。
孤独感から心の病気へと進んでしまうことも少なくない現代です。
何げないひと声に、心が癒され、生きる希望につながったり、小さな気づきが、大切な命を救うことにつながったりします。
支える側も、支えられていい

人のお世話をしてきた人ほど、「助けて」と言いにくいことがあります。
「人に迷惑をかけてはいけない」
「これくらい、自分で頑張らなくては」
そう思って、つらさを抱え込んでしまうこともあるのではないでしょうか。
でも、誰かを頼ることは、迷惑をかけることではありません。
あなたが頼ってくれることが、誰かの「役に立てた」という喜びに変わることもあります。
「助けて」と言えることも、支え愛です。
いつも誰かを支えている人も、ときには支えられていいのです。
救急車の中で聞いた、娘さんの叫び
前回の講演に続き、今回も消防・救急現場での体験をお話ししました。
救急搬送中、意識を失ったお母さんに、娘さんが必死に呼びかけていました。
「私を一人っきりにしないで。死なないでよぉー」
その叫びを聞きながら、私は胸が痛みました。
救急隊員として、目の前の傷病者に必要な処置をしなければなりません。冷静に活動しなければならないことは、よく分かっています。
それでも、一人の人間として、家族の悲しみに感情移入してしまうことがありました。
病院のベッドに移された奥さんを、心配そうに見守るご主人。
その目に浮かんだ涙が、私の目に入ることもありました。
大切な人が、いつもそばにいてくれる。
私たちは日頃、それを当たり前のように感じているのかもしれません。
けれど私は、救急現場で何度も、その「当たり前」が突然失われた瞬間に立ち会ってきました。
「いなくなるなら」に重なった、それぞれの思い

そうした救急現場での経験をもとに作った歌が、「いなくなるなら」です。
この歌を歌っているとき、会場では、たくさんの方が涙を拭きながら聴いてくださいました。
きっと皆さんの心の中に、それぞれの大切な人の顔が浮かんでいたのだと思います。
幸せは、遠くまで探しに行って、つかみ取るものではないのかもしれません。
すでに自分のそばにある幸せに、気づくものではないでしょうか。
「産んでくれてありがとう」
「育ててくれてありがとう」
「いつもそばにいてくれてありがとう」
心の中で思っているだけでは、相手には伝わらないことがあります。
言葉は、心の中の思いを伝えるためにあります。
少し照れくさくても、伝えられるうちに伝えておく。
救急現場で多くの家族を見てきた私は、その大切さを強く感じています。
講演後にいただいた、ありがたい言葉
講演が終わると、たくさんの方が私のところへ話しかけに来てくださいました。
「とってもよかった」
「もう涙が止まらなくなって、たいへんでした」
「『いなくなるなら』はCDで買えるんですか?」
「また来てくださいね」
一つひとつの言葉が、本当にありがたく、心に残りました。
笑ったり、涙を流したりしながら、皆さんがご自身の家族や身近な人のことを思い浮かべてくださったのなら、こんなにうれしいことはありません。
特別なことは、いりません
誰かを支えるというと、何か大きなことをしなければならないように感じるかもしれません。
でも、特別なことは必要ありません。
「最近、どう?」
そのひと声で、心が少し軽くなる人がいるかもしれません。
いつもと違う様子に気づいて声をかけることで、救える命があるかもしれません。
そして、自分が苦しいときには、誰かに「助けて」と伝えてもいいのです。
思いやりと笑顔で支え愛。
まずは今日、身近な人にひと声かけることから始めてみませんか。
暑い夏の夜、会場へお越しくださった皆さま、八頭町連合婦人会の皆さま、そして関係者の皆さま、本当にありがとうございました。
また皆さまと笑顔でお会いできる日を、楽しみにしています。





