2月14日は、鳥取市倫理法人会のモーニングセミナーで講話をさせていただきました。
演題は「人を生かす言葉の力」で、言葉の持つ力についてお話させていただきました。
言葉については、いろんな方がいろんな角度から話されています。
「プラス言葉を使うように心がけ、マイナス言葉は使わないようにすれば人生うまくいく」
よく言われている言葉です。
間違いではないかもしれませんが、その言葉だけでは多くのことが抜け落ちてしまいます。
人権について考える機会も多くなり、SNSをはじめとした世論は、かつてとは比較にならないほど道徳的に厳しくなりました。
ヘイトスピーチやフェイクニュースで人を傷つけたり、炎上させて喜ぶ人たちもいますが、世の中の論調は人の間違いをいっさい許さないような正義感が主流になりつつあるような気さえします。
プラス言葉至上主義になってしまっている人もいて、マイナス言葉を見つけるとすぐにそれを訂正させようとする文言をFacebookのコメントに見ることもよくあります。
自分の心の中のガス抜きをしようとした人の言葉を、マイナス言葉だと簡単に断じてしまうことに、思いやりは感じられません。
単なるプラス言葉が人の心を傷つけた悲しい結果を、救急現場で目にしたこともありました。
言葉は、本当にすごい力を持っています。
たったひと言の厳しい正論に打ちのめされて、首を吊って亡くなった人もいました。
自分自身がずっと責め続け、苦しみ続けていたところを、とてつもない残忍な正論の斧を振り下ろされたのです。
その言葉を発した人は、
「俺は間違ったことを言ったわけでも、相手の人権を傷つけたわけでもない」
と言うかもしれません。
しかし、結果は事実として残ります。
鳥取市では2度めのモーニングセミナーでしたが、今回はギター持参で、PAなしの文字通り生ギターに生歌もまじえてお送りしました。
今回は、昨年12月に鳥取市倫理法人会に入会して2ヶ月でお話をさせていただきました。
倫理法人会の「いくら学んでも実践が伴わなければ意味がない」という基本的な考え方は、言葉においてもいえることだと思いました。
真に実践してきた人の言葉は、単なるプラス言葉礼賛などになりようがありません。
マイナスから目をそらさずに乗り越えた人ならではの思いやりが、そこにはあるからです。
だから家庭が、職場がうまくいくようになる。
言葉を、人を傷つけたり、苦しめたりすることに使わず、人を笑顔にしたり、安心させたり、力づけたりすることに使うことを実践していきたいと、あらためて思いながら話した、早朝7時前の私でした。