「生まれてくれてありがとう」
講演を聞いた保護者の方が、家に帰って我が子にそう伝えました。
すると、お子さんから返ってきたのは、
「産んでくれてありがとう」
という言葉でした。
2024年11月14日、鳥取県伯耆町の伯耆町立溝口中学校で、人権講演会に登壇しました。
中学1年生から3年生までの生徒と保護者の皆様に、消防・救急現場で経験した「命の現場」の話と、そこから学んだ家族への感謝について、オリジナルソングを交えてお伝えしました。
溝口中学校でお話しするのは、今回で3回目です。
講演後に送っていただいた感想を読むと、生徒と保護者の皆様が、それぞれに大切な人のことを思い浮かべてくださったことが伝わってきました。
命の現場で知った、当たり前の日常の大切さ

講演では、消防士として経験した現場の話をしました。
放火火災の原因調査で、亡くなった方が友人だったとわかった時のこと。
悲惨な交通事故で、若い命が失われた現場のこと。
いつまでも続くと思っていた日常が、突然断ち切られる現場を何度も目にしてきました。
そうした経験は、私に「人生で本当に大切なものは何だろう」と問い続けました。
家族が元気でいること。いつものように言葉を交わせること。同じ食卓を囲めること。
普段は当たり前に感じている時間も、決して当たり前ではありません。
だからこそ、感謝は「いつか」ではなく、伝えられる時に伝えてほしい。その思いを、生徒と保護者の皆様にお話ししました。
中学生にも届いた、オリジナルソングの言葉

講演では、話の内容に合わせて、オリジナルソングをギターとハーモニカで演奏しています。
私の歌は、今どきのアップテンポな曲でも、ヒップホップでもありません。どちらかといえば、昔ながらのフォーク調です。
中学生や高校生は退屈しないだろうかと、少し心配になることもあります。
ところが、今回も生徒たちは歌詞をよく聴いてくれていました。
3年生
石川さんが、ギターやハーモニカで演奏しながら歌っていて面白かったし、いい歌だなとおもったこと。びっくりしました。
別の3年生からは、次の感想をいただきました。
一番印象に残っているのは4曲の歌です。全部自作なのがすごいなと思ったし、すごく面白かったです。
保護者の方からも、
一番印象に残っている事は歌です。映像と一緒に拝見、お聞きすると、吸い込まれ「ぐっ」とくるものがありました。
という感想をいただきました。
話だけでは届きにくい思いを、歌が運んでくれることがあります。生徒たちがメロディーだけでなく、歌詞に込めた言葉を受け止めてくれたことを、うれしく思いました。
「ありがとう」を伝えたいと思った生徒たち

講演後の感想には、家族へ感謝を伝えたいという言葉が多くありました。
1年生
親に「産んでくれてありがとう」とか「育ててくれてありがとう」と直接言ったことはないけど、直接ではなくても、メールとか手紙で伝えたりできたらいいなと思いました。
2年生
私も暴言ばっかりでお礼を言ったことがなかったので、いつか言いたいと思いました。
3年生
石川さんの消防だったころの話を聞いて、とても分かりやすく、たくさん共感しました。その話から、もし困ったり悩んだりしたら相談などができるようにしたいし、親に「ありがとう」と言えるようにしたいと思いました。
「直接は恥ずかしいけれど、メールや手紙なら伝えられるかもしれない」という言葉に、中学生らしい素直な気持ちを感じます。
伝え方は一つではありません。声に出すのが難しければ、短いメッセージでも手紙でもいいのだと思います。
親子で伝え合った「ありがとう」
そして、保護者の方からいただいた次の感想が、特に心に残りました。
家に帰って、我が子に「生まれてくれてありがとう」と伝えたら、我が子からも「産んでくれてありがとう」と言われました。
我が子の素直さに教えられることが多々あります。まさに「親育て」です。
大切なメッセージをありがとうございました。
講演会場で聞いた言葉が、その日のうちに家庭へ持ち帰られ、親子の会話になったことを知りました。
思春期には、親子ともに腹が立ったり、言葉が足りなかったりします。私自身も、子どもたちの思春期には、寂しさや腹立たしさなど、いろいろな感情を経験しました。
それでも振り返ってみれば、その時期も親子がともに成長していた大切な時間でした。
子どもたちは、全身のエネルギーを使って親育てをしてくれているのかもしれません。
「大切に思っている」「ありがとう」と伝えられる時間には限りがあります。うまく言えない日があっても、伝えられる時に、自分なりの方法で届けることが大切なのだと思います。
中学校・PTA向け人権講演について
私は、32年間の消防・救急現場で経験した命の話と、二人の息子を育てた経験、オリジナルソングを交えながら、命、言葉、感謝、家族のつながりについてお伝えしています。
中学校や高校の人権講演会、PTA研修会、保護者会など、生徒と保護者が一緒に聞く講演にも対応しています。
重い命の話だけで終わるのではなく、歌や私自身の子育て経験も交えながら、自分と身近な人を大切にすることを考える時間にしたいと思っています。
講演をご検討の方は、以下をご覧ください。
講演会の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 講演会 | 伯耆町立溝口中学校人権講演会 |
| 日時 | 2024年11月14日(木) |
| 場所 | 鳥取県伯耆町・伯耆町立溝口中学校 |
| 対象 | 中学1年生から3年生、保護者 |
溝口中学校の皆様、生徒と保護者の皆様、ありがとうございました。

