2026年9月6日、鳥取砂丘コナン空港で、「あなたの経験を、伝わる強みに変える」をテーマにしたセミナーを開催しました。
参加者の皆さんに、自分の経験を振り返ってもらい、その中にある強みや大切にしてきたことを、AIとの対話を通して言葉にしてもらう講座でした。
前半では、私自身がマインドマップを使って過去を振り返り、マイナスだと思っていた経験の中から、自分の強みを見つけた過程をお話ししました。
後半は、参加者の皆さんが実際にスマートフォンやパソコンを使い、AIからの質問に一つずつ答えていく実習を行いました。
仕事や活動、これまでの経験、心に残っている出来事、人から言われてうれしかった言葉などを振り返りながら、自分では気づきにくい強みや価値観を整理していきました。
自分のことは、自分では見えにくい

自分が自然にやっていることを、本人は強みだと思っていないことがあります。
長く続けてきたことも、
「これくらいは誰でもできる」
「仕事だからやってきただけ」
「特別な経験ではない」
と考えてしまいがちです。
つらかった経験や失敗についても、できれば思い出したくない過去として、心の中にしまっている人がいるでしょう。
しかし、そうした経験をたどってみると、その人が何を大切にしてきたのか、困ったときにどう行動したのか、誰にどのように寄り添ってきたのかが見えてきます。
私自身も、マイナスだと思っていた経験をマインドマップに書き出したことで、初めて気づいたことがありました。
弱さだと思っていたものが、人の痛みを想像する力や、相手に寄り添う力につながっていたのです。
今回のセミナーでは、そのような気づきに至る入口として、AIを使いました。
AIとの対話は、質問に答えるだけではない

実習では、AIが参加者に一問ずつ質問します。
参加者は、自分の経験や考えをAIに伝えます。するとAIは、話した内容の共通点を探し、強みや価値観として整理して返してくれます。
ただし、AIの答えが、最初から本人の気持ちにぴったり合うとは限りません。
「少し違います」
「もっと具体的にしてください」
「別の言い方も出してください」
「私のこの経験を踏まえて、もう一度考えてください」
そのように返しながら、少しずつ自分に合う言葉へ近づけていきます。
今回のセミナーを終えて、私はこの部分に、もっと時間をかける必要があったと感じました。
AIを使い慣れている人にとっては、「違うと思ったら伝えてください」という説明だけでも対話を続けられます。
一方、AIとの対話に慣れていない人にとっては、どこが違うのか、どのように頼み直せばよいのかを言葉にすること自体が難しい場合があります。
プロンプトを入力すれば、自動的に自分だけの答えが完成するわけではありません。
AIが出した言葉を見ながら、
「私は本当にそう思っているだろうか」
「この表現は、自分が普段使う言葉だろうか」
「もっと伝えたい経験があるのではないか」
と考える時間が必要です。
私が伝えたいのは、AIの機能ではない
私は日常の業務で、かなり長い時間AIを使っています。
文章の整理やアイデア出しだけでなく、業務を効率化するためのアプリを、AIと相談しながら作ることもあります。
ただ、私が伝えたいのは、
「AIを使えば、こんなこともできます」
「あんな便利な機能もあります」
という、AIの機能や利用場面を次々に紹介することではありません。
私が関心を持っているのは、AIを使って、その人自身の経験や考えを整理し、まだ言葉になっていない思いを、伝わる形にしていくことです。
AIが登場する前から、考えを整理する道具を使ってきた

AIが登場する前、私はマインドマップやマンダラチャートなどを使ってきました。
自分の経験を振り返り、強みを棚卸しする。
新しいアイデアを生み出す。
ブログや本を書くときの構成を考える。
自分ならではの視点を明確にし、相手に伝わる形へ整える。
こうした作業に、さまざまな思考整理の方法を取り入れてきました。
私にとってAIは、それらとまったく別のものではありません。
自分の中にあるものを引き出し、整理し、組み立てるために使う、新しい道具の一つです。
私が、自分自身の強みの棚卸しをやったことをこちらに書いています。
「自分には強みがない」と思っていた|3つの「できなかった経験」から見つけた強み
経験があっても、伝え方がなければ届かない
自分の経験や、そこから得た学びを人に伝えるには、内容だけでなく、構成や伝え方も大切です。
文章であれば、文体や言葉の選び方も関係します。
しかし、「文体」「文法」「文章構成」と聞いただけで、難しそうだと感じる人もいるでしょう。
話した内容を整理する。
文章の順番を整える。
長い説明を読みやすくする。
伝わりにくい表現を直す。
こうした負担の一部は、AIに担ってもらうことができます。
文章を書く技術に自信がない人でも、自分の経験や思いを、以前より形にしやすくなりました。
だからこそ、本当にやりたいことや伝えたいことがある人が、AIをまったく利用しないのは、もったいないと感じています。
プロンプトを使うだけでは、伝わる文章にならない
一方で、どこかで見つけたプロンプトをそのまま使えば、思いどおりの文章ができるとは限りません。
これは、AIを使ったことがある多くの方が経験しているのではないでしょうか。
「〇〇について詳しく説明してください」
と入力すれば、整った文章は返ってきます。
しかし、一般的な情報をきれいにまとめただけの文章が、誰かの心を強く動かすことは、そう多くありません。
AIを使いこなすためには、対話する人間の側にも、知識や経験、感覚が必要です。
生成された文章のどこに違和感があるのか。
何が物足りないのか。
どの部分を、もっと深める必要があるのか。
構成をどう変えれば、読む人の心に届くのか。
それを判断するのは、人間です。
AIが生成した文章を全面的に受け入れるだけでは、その人にしか書けない文章には、なかなか近づきません。
AIに作詞を頼んで感じたこと
私はオリジナルソングを作っているので、試しにAIへテーマを伝え、歌詞を作ってもらったことがあります。
何度か試しましたが、私には、どこかで聞いたことのあるような言葉を集めた歌詞に感じられました。
将来は、
「失恋で傷ついている20代の女性の心に響く言葉で」
と頼むだけで、本当に胸を打つ歌詞が生まれる時代が来るかもしれません。
AIの進化はとても速いため、どこまでできるようになるかはわかりません。
プログラミングの知識がなくても、会話だけでどんどん複雑なアプリが作れるようになりました。
それでも、たとえば「人の心を打つ言葉」を作る能力などは、まだまだです。
生身の人間が抱える、言い切れない迷いや、心の微妙な揺れ、少し不器用でもその人らしい表現は、その人自身の体験や言葉を使って仕上げる必要があると、私は考えています。
自分の言葉にたどり着くための地図を作る

AIは、頭の中で絡まっている考えを整理し、本人がまだ気づいていなかった共通点や、いくつかの選択肢を示してくれることがあります。
しかし、AIが出した答えの中から、どの言葉を残し、どの表現を使わないのかを決めるのは本人です。
何を伝え、何をあえて書かないのか。
どこまで自分の体験を人に見せるのか。
その言葉が本当に自分の気持ちを表しているのか。
そこには、その人自身の経験と判断が必要です。
強みを棚卸ししたい理由や、整理したいことも、人によって異なります。
自分の強みを見つけたい人。
仕事や活動の方向を整理したい人。
商品やサービスの伝え方を考えたい人。
これから何を発信していけばよいのかを探している人。
目的地が違えば、必要な道筋も違います。
私がこれから担いたいのは、AIの機能を次々に紹介することではありません。
自分の経験や思いを整理しようとして迷路に入り込んでしまった人と一緒に、目的地までの地図を作ることです。
AIやマインドマップも使いながら、これまでの経験を振り返り、進みたい方向を整理する。そして、その人が自分の心から出てくる言葉にたどり着けるように案内する。
AIを使うこと自体が目的ではありません。
大切なのは、その人が本当は何をしたいのか、誰に何を伝えたいのかということです。
AIに答えを決めてもらうのではなく、AIとの対話を通して、自分が本当に伝えたかったことに気づく。
構成や表現を手伝ってもらいながら、最後は自分の経験、自分の判断、自分の言葉で仕上げる。
今回のセミナーで見えた課題も生かしながら、これからは、その地点まで一人ひとりを案内できる講座を作っていきたいと思っています。

| 項 目 | 内 容 |
|---|---|
| タイトル | AIで見つける「強みの棚卸し」セミナー |
| 日 時 | 2026年9月6日(土) |
| 主 催 | D.Oライフチェンジコーチング 尾崎 大祐 |
| 場 所 | 鳥取県鳥取市 鳥取コナン空港 国際会議室 |
| セミナー時間 | 約90分 |
自分の経験を、伝わる言葉にしてみたい方へ
AIやマインドマップを使って、自分の経験の中にある強みを見つけ、伝わる言葉へ整える少人数のリモート講座を検討しています。
AIの便利な機能を学ぶことが目的の講座ではありません。自分の経験を振り返り、最後は自分で納得できる言葉を一つ完成させる講座にしたいと考えています。
開催内容が決まりましたら、このブログやLINE公式でお知らせします。講座や講演についてのお問い合わせは、お問い合わせフォームからご連絡ください。





