ストレス対策(日本海新聞コラム)

日本海新聞に掲載された石川達之のコラム

最近、私にご依頼いただく講演で、担当の方から「ストレス対策について話して欲しい」という要望が多くなりました。

心の病気の原因について、「心のエネルギータンク」のエネルギーが、各種ストレスによって減少していき、休息や睡眠、趣味・娯楽などでの補充が追いつかず、やがて枯渇してしまうために起こると言われています。

そうなると大切なのは、省エネにすることと補充する量を増やすことになります。理屈は単純ですが、実行するのは容易ではありません。

省エネにするためには、日常の不安や怒り、イライラなどでの消費を少なくする必要があります。

ストレス対策も、笑うこと、ストレッチ、呼吸法、睡眠、趣味、親しい人との交流など、いろいろあります。

趣味に関しては、人それぞれ性格も嗜好、体力も異なりますから、数ある選択肢から自分に合ったものを、日頃から試行錯誤する必要があります。自分に合った方法でも、体調やその日の気分で効果はかなり違ってきます。

私の場合、前職の消防を辞めてからは、講演やライブで出かける以外は、家にこもって講演の内容を練ったり、そのための勉強をしたりで、以前のように映画のDVDを観たり、友人とどこかへ出かけたりすることは、ほとんどなくなりました。

趣味はかなり多い方だと思っていましたが、あらためて考えてみると、今も継続してやっていることは少ないことに気づきました。それからは、仕事の隙間時間に音楽を聞いたり、ウォーキングに出かけたりするようにしました。

陸上自衛隊のメンタルヘルス教官として、医師や看護師の教育をされている下園壮太さんの複数の書籍にストレスコントロースについて書かれています。

その中に「ストレス解消法を育てる」という文言がありました。複数の解消法を持つことが必要で、たとえば旅行が一番の解消法だとしても、そうそう頻繁に出かけることもできない。

スポーツが解消法でも、その時期がエネルギー低下していれば、その時点では楽しくても、翌日は更に疲労しているという事態になる。

自分に合った解消法でも、実行できない場合、また体調によっては適さない場合もあるのだ、と。ではどうすればいいかと言うと、
(1)一人でやれるもの、複数の人でやるもの
(2)静的な趣味、動的な趣味

という二つの視点で気分転換法を4つ以上持つのがいい、とあります。

そうしてみると、私自身が解消法の数に問題ありということになります。心のエネルギーにまだ余裕があるうちに見つけたいと思います。自分に合いそうな方法をいろいろ試して、育てて行こうと思います。

日本海新聞コラム「潮流」掲載画像
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