2015年9月13日は鳥取市のさざんか会館で平成26年度鳥取市人権教育協議会社会教育部会全体研修会で講演をさせていただきました。
「命の重さと輝き」という演題で1時間半やりました。
参加者は鳥取市の企業、宗教団体、公民館職員、市役所職員、学校職員などの人権担当者の皆さんでした。
幅広い年齢層の200人以上の方が参加されました。
重い話をする前には軽く入りたい、ということで県内の講演ではいつもやるように方言ギャグソングを話の間にはさみました。
後半は、私が消防士時代に出動した救急、救助現場の体験を話しました。
悲惨な事故現場で絶命する人を目の当たりにしながら活動していると、心臓をギュッとわしづかみされたような胸苦しさを覚えたこともありました。
大怪我をして意識を消失してもなお、あえぎながら必死に呼吸を続けようとする姿に、人間が生きようとするすごい力に、ただただ圧倒されました。
応急処置をほどこしながら救急隊員は、「助かってくれ」「呼吸を続けてくれ」「生き続けてくれ」と、祈るような気持ちで搬送してきました。
この「生きようとする力」の荘厳さの前に、生まれた土地や国など、肌の色の違いや障がいの有無、いかなる差別的意識も介在する余地はありません。
それどころか、人の命の崇高さに、理屈を超えた強さで打たれる思いをします。
人権についてはいろいろな問題があります。
SNSでの差別発言など、かつては考えられなかった場面で人の心が傷つけられ、踏みにじられる状況も増えてきました。
命の重さを感じる心の力が、ますます弱まっているように思います。
そんな時代だからこそ、よけいに「命の重さ」を伝えていかなければと考えています。
心が疲労して、自ら命を絶とうとした人をたくさん搬送してきました。
心が弱った状態でいるところに、心無い言葉をかけられ、自損行為に至った例も少なくありません。
人に対する「思いやり」や、人の命・自分の命の重さに気づいていただく、あるいは再認識していただくきっかけづくりをやっていくために、今回はとてもありがたい機会をいただきました。
アンケートが送られて来るたびに、ある種覚悟を決めて読み進めます。
「重たいはずのエピソードを聞いたのに、講演の最後にはとても温かい気持ちになっていました」
「涙を流し、優しい気持ちになれました」
そんな感想が多いので、そのたびに安堵の溜息をつきます。
毎回、毎回、新たな気づきがあります。
もっともっとたくさんの人に聞いてもらえるように、精進して行きたいと思った日でした。
鳥取市の人権担当のみなさんには心のこもった対応をしていただきました。
長時間にわたる準備、進行、片づけと、たいへんお世話になりました。
項 目 | 内 容 |
---|---|
タイトル | 平成26度鳥取市人権教育協議会社会教育部会全体研修会 |
日 時 | 2014年9月13日 |
演 題 | 「命の重さと輝き」 |
場 所 | 鳥取県鳥取市 さざんか会館 |
主 催 | 鳥取市人権教育協議会社会教育部 |