記事一覧

人権とは?子どもと大人が一緒に考えた命の大切さ|小学校人権講演会

「人権って何?」

子どもからそう聞かれたら、皆さんはどのように答えるでしょうか。

人権について調べると、少し難しい言葉が並びます。

もちろん、正しい知識を学ぶことは大切です。

しかし、今、私が子どもに人権を説明するとしたら、まずは次のように伝えたいと思います。

人権とは、自分も相手も、大切な存在として扱われること。

自分の命や気持ちを大切にする。

友達の命や気持ちも大切にする。

嫌なことをされたときには、「嫌だ」と言ってよい。

困ったときには、誰かに助けを求めてよい。

自分とは違う人を、違うという理由だけで笑ったり、仲間外れにしたりしない。

人権は、難しい言葉のなかだけにあるのではありません。

学校や家庭で交わす、毎日の言葉や行動のなかにあるものだと思います。

人権は、学校だけで学ぶものではない

人権について考えるのは、人権学習や人権週間のときだけではありません。

友達が話しているときに、最後まで話を聴く。

失敗した人を笑わない。

自分と違う考え方にも耳を傾ける。

困っている人に、「どうしたの?」と声をかける。

家庭では、子どもの話を途中で決めつけずに聴いてみる。

家族だから分かっているはずだと思わず、「ありがとう」や「大切だよ」という気持ちを言葉にする。

こうした身近な行動も、人権を大切にすることにつながるのではないでしょうか。

家庭で考える人権については、【地域人権講演会】笑顔があふれる町は、身近な言葉から|加古川市にも書いています。

小学1年生から大人まで、どう伝えればよいのだろう

講演が始まる前の用瀬小学校の体育館
講演前の体育館

2019年9月20日、鳥取市用瀬人権文化センターと鳥取市立用瀬小学校の共催による人権講演会でお話ししました。

先生からいただいたご要望は、

「子どもと大人が一緒に、人権について考える機会にしたい」

というものでした。

参加するのは、小学1年生から6年生までの子どもたち、そして保護者や地域の皆さんです。

ご依頼をいただいたとき、私は心のなかでつぶやきました。

(さて、どうしたものか)

これまでにも、保育園から高校まで、さまざまな年代を対象に人権講演をしてきました。

小学校高学年と保護者を対象にした講演も経験しています。

しかし、今回は小学1年生から6年生までです。

低学年と高学年では、言葉の理解の仕方も、笑うところも違います。

さらに、大人にも一緒に聴いていただきます。

消防・救急現場の体験をどこまで話すのか。

子どもを怖がらせず、命の大切さをどのように伝えるのか。

そして、大人にも自分のこととして受け止めてもらうには、どうすればよいのか。

内容を組み立てるときには、ずいぶん考えました。

子どもには、命と心を大切にすることを

第1部では、子どもたちを対象に、

「命を大切に 心を元気にするおはなし」

という演題でお話ししました。

消防士として救急や火災の現場へ出動し、当たり前だった日常が突然失われる場面を見てきた経験をもとに、命の大切さを伝えました。

ただし、子どもたちの年齢に配慮し、事故や災害の刺激の強い状況を詳しく描写することは避けました。

怖がらせたいのではありません。

自分の命を大切にしてほしい。

友達の命も同じように大切にしてほしい。

困ったときには、一人で抱え込まず、周りの大人に助けを求めてほしい。

そんな思いを、できるだけ分かりやすい言葉で伝えました。

講演中、スクリーンに映った画像を指さし、隣の友達と顔を見合わせて笑う子どもたちの姿がありました。

その様子を見ていると、話している私の体にも楽しさが満ちてきました。

大人には、子どもがいてくれる日常の大切さを

第2部では、保護者や地域の皆さんを対象に、

「元気で心穏やかに生活するために」

という演題でお話ししました。

子育てをしていると、毎日の忙しさに追われます。

子どもが言うことを聞かない。

朝の支度が進まない。

何度言っても同じ失敗をする。

つい強い言葉を口にして、あとから反省することもあると思います。

私自身、子育てについてすべて正しいことをしてきたわけではありません。

消防・救急現場で命のはかなさを感じても、日常に戻れば、家族がそばにいるありがたさを忘れてしまうことがありました。

だからこそ、当たり前に見える日常のなかにある、

「うれしいな」

「楽しいな」

「いとおしいな」

という気持ちを、ときどき思い出してほしいとお伝えしました。

歌を聴きながら、家族の顔を思い浮かべる

講演では、オリジナルソングのギター弾き語りも行いました。

大切な子どもがいてくれる。

お父さんやお母さんがそばにいてくれる。

それは毎日続く、当たり前の風景に見えるかもしれません。

しかし、消防・救急現場では、その当たり前の日常が突然なくなる場面がありました。

家族がそばにいることを、当たり前にしないでほしい。

そんな思いを込めて歌いました。

会場には、歌を聴きながら涙を拭う保護者の姿もありました。

私は歌いながら、

(家に帰ったら、親子で今日の話をしてもらえたらいいな)

と思っていました。

講演会の時間だけで、人権についてすべて分かるわけではありません。

けれど、同じ話を聴いた親子が、帰宅してから、

「今日の話、どう思った?」

と会話を始めることはできます。

その会話に、この講演会の大切な意味があると思います。

「家庭で子どもと話してみます」

石川達之講演会のアンケート

後日、講演についての感想をいただきました。

子どもたちの心を一気につかまれましたね。

生きること、命の大切さをあらためて深く考える機会になりました。

子どもたちにも分かりやすく、とても集中して聞いていました。

そして、私の心に特に残ったのが、次の言葉です。

家庭で子どもと一緒に、今日の内容を話してみます。

「歌がおもしろかった」という感想も、もちろんうれしいものでした。

それだけでなく、命や人権についてのメッセージを受け止め、家庭での会話につなげようとしてくださったことを、ありがたく感じました。

人権は、今日の会話から始まる

人権という言葉を、子どもに完璧に説明するのは難しいかもしれません。

けれど、難しい定義をすべて教えなくても、日常のなかで伝えられることはあります。

「今日、学校でどんなことがあった?」

と子どもの話を聴く。

子どもが困っていたら、一緒に考える。

友達を傷つけてしまったら、その人がどんな気持ちだったのか考えてみる。

自分が嫌なことをされたら、我慢を続けずに誰かへ話す。

家族に「ありがとう」と伝える。

人権は、遠いところにある特別な話ではありません。

自分を大切にすること。

目の前にいる人も、自分と同じように大切な存在だと考えること。

そして、その思いを毎日の言葉や行動に少しずつ表すこと。

人権について考える最初の一歩は、家庭や教室で交わす今日の会話から始まるのだと思います。

講演を聴いてくださった用瀬小学校の子どもたち、保護者と地域の皆さん、そして講演会を準備してくださった関係者の皆さん、本当にありがとうございました。

小学校や親子向けの人権講演会を企画されている皆さまへ

小学校や親子を対象にした人権講演会では、子どもの年齢に配慮しながら、消防・救急現場で感じた命の大切さや、家族、言葉、人とのつながりについてお話ししています。

大人だけ、子どもだけではなく、親子が同じ話を聴き、帰宅後の会話につながる講演にしたいと考えています。

オリジナルソングのギター弾き語りも交え、難しい人権のテーマを、自分の日常へ置き換えて考えられる時間をつくります。

講演内容については、人権講演会の案内ページをご覧ください。

項目

内容

行事名

用瀬町「じんけん」講演会

日時

2019年9月20日(金)14時30分~16時

第1部演題

命を大切に 心を元気にするおはなし

第2部演題

元気で心穏やかに生活するために

場所

鳥取市用瀬人権文化センター

共催

鳥取市用瀬人権文化センター・鳥取市立用瀬小学校

用瀬小学校の講演写真

Explore

ほかのテーマ・内容から探す

⌃