メンタルヘルスというと、聴き方、話し方についての講習・研修が多いと思います。
心無い言葉で心を傷つけられて、生きる力を失いそうになることもあれば、たったひと言が弱った心を支えてくれることもあります。
2018年3月21日の春分の日は、石川県能美市に自殺防止対策強化月間講演会の講師として呼んでいただきました。
今回は演題の「救急現場で学んだいのちの重さ」に「心を支える言葉の力」というサブタイトルをつけさせていただきました。
ホテルまで迎えにきていただいた能美市の福祉課の方と、会場までの道中にいろいろとお話しました。
メンタル不調の方とのやり取り、自殺予防やグリーフケアの取り組みについてなど、日頃のお仕事のほんの一部をおききしても、その大変さが伝わってきました。
例年80人くらいの参加だと伺っていたのですが、当日はなんと120人以上の方が参加されたそうです。
自己紹介に満席の会場に笑いがおこり、和やかなムードになりました。
いつものように、実際の現場での体験を話しましたが、リアルに状況を伝えようとすると、数十年前の光景がよみがえり、今でも少し息苦しくなります。
会場では、たくさんの方がハンカチで顔を覆ったり、メガネを取って涙を拭かれていました。
講演中、いつか私の講演がメンタル不調の予防になって、言葉に気をつける思いやりへとつながってくれることを願いながら歌い、話しました。
「そんな大きな力を持つ言葉を使うなら
相手を傷つけたり、苦しめることに使ったりしないで
相手が笑顔になったり、幸せを感じてもらえて
自分自身も幸せになるために使いましょう」
質疑応答になると、なかなか手が上がらないことが多いのですが、積極的に挙手される方が何人もいらっしゃって、参加された皆さんの真剣度が伝わってきました。
こちらのブログ「生きていてよかった」と泣いた夫婦【命の講演会で話すこと】に、この日お話したエピソードを書いています。
講演が終わったあと、何人もの方が控室まで来られました。
その中に医師の方もいらっしゃって、
「今日のお話を聞いて、連日診察に追われて自分でも気づかないうちに、大きな疲労を溜め込んでいたことに気づきました。自分が元気じゃないと人を元気にすることができませんよね。ほんとにいい話をたくさん聞かせていただきました」
と言っていただきました。
冬に戻ったような寒い日でしたが、能美市の皆さんとあったかい時間を共有できた幸せを感じさせていただきました。
翌日帰宅すると、参加された方からメールが届いていました。
「もっと多くの方にこの感激を広げたいのですが、
町内会のような単位でも講演をお願いすることはできますか?」
というとても嬉しい内容でした。
勿論、町内会も、全国どこへでも伺います。
またその方とも再会できて、さらに新たな出会いもあることを楽しみにしています。
なお、当日の講演内容をテレビこまつさんが、5月1日〜15日までの間リピート放送されるそうです。
項 目 | 内 容 |
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タイトル | 能美市自殺防止対策講演会 |
日 時 | 2018年3月21日(水) |
演 題 | 救急現場で学んだいのちの重さ ~心を支える言葉の力~ |
場 所 | 石川県能美市辰口町 辰口福祉会館交流ホール |