命のメッセージ

生きづらさの中での気づき

たんぽぽ

「どうしてこんなに生きづらいんだろう?」
「なぜ、こんなに苦しい事ばかりあるんだろう?」
「生きている事に意味があるんだろうか?」

悩み事や悲しい出来事に直面すると、私たちの感情は大きく揺れ動きます。
そんな不安定な時期が続くと、心は弱り、ネガティブな思考の渦に飲み込まれてしまいがちです。

私も、消防士として働き始めて数年後、同じような状態に陥りました。
そんな時、ある救急現場での出来事が、私の人生観を大きく変えることになりました。

忘れられない救急現場

夜の病院に到着した救急車

夕暮れ時、部活帰りの男子中学生が交通事故に遭いました。
私たち救急隊は、必死の思いでCPR(心肺蘇生法)を継続して、少年を病院へ搬送しました。

病院では、救急隊員、看護師、医師、一丸となって少年の命を救おうと奮闘。
しかし、長時間に及ぶ必死の救命活動にもかかわらず、少年の心拍は再開しませんでした。

明日は当たり前にはやってこない

病院のベッド

病院に駆けつけた父親は事態が飲み込めず、いつまでも少年に呼びかけていました。
その声は、助けられなくて無力感に襲われていた我々救急隊員の胸に突き刺さりました。

「おーい、どうしたんだ。 目を開けろよ。息をしてくれよ。 お前なら大丈夫だ。
お前は、毎日、どんな暑い日でも一生懸命に部活を頑張ってきたじゃないか。
お前ならできないことはない。 頼むから、息をしてくれよ!」

朝、いつものように元気よく家を出ていった最愛の息子。
いつもの平穏で大切な日常。

まさか、そんな大事な存在が突然いなくなるなんて、到底受け入れることなどできないにきまっている。
子を持つ親として、想像しただけでも苦しいほど胸が痛みました。

3人の救急隊員は全員が子を持つ親でした。
耐えきれずに、私たちはベッドに背を向けて、救急服の袖で涙を拭いました。

その救急活動を経験したことで、私は気づきました。
「大切な『命』について考えることは、大切な『時間』について考えること」なのだと。

私たちは皆、奇跡の時間を生きている

夜空の星雲

あの少年は、未来の夢に向かって精一杯生きていたことでしょう。
そして私たちは今、その少年が生きられなかった未来の時間を生きています。

あれから月日が流れても、呼びかけるお父さんの声が、いつまでも私の心の中でくり返し響いています。

当たり前だと思っていた「明日」は、実は奇跡だと気づきました。
当たり前にあると思っていた命も、実は当たり前ではありません。

命や時間について深く考えると、私たちが家族や友人、同僚など、多くの人々に支えられて生きていることに気づきます。

人生を変えた命との対話

壇上で歌う石川

32年間の消防士としての経験は、私に数え切れないほどの貴重な学びをもたらしました。

危機的状況下で見た人間の強さ、絆の力、そして命の儚さ。
講演では、これらの経験が凝縮された「命のメッセージ」を、皆様にお届けします。

この講演は単に体験談だけではありません。
日々の「当たり前」の中に隠れた奇跡を発見し、生きることの喜びを再確認していただくために、テーマに沿ったオリジナルソング(ギターの弾き語り)をお届けします。

この講演を通じて、あなた自身のかけがえのない存在としての価値を再発見し、周囲への感謝を深めていただくきっかけを作らせていただければ幸いです。

ご興味をお持ちいただけましたら、お気軽にお問い合わせください。