「どうしてあの人は、いつも上から目線なんだろう?」
「なぜあの人は、いつも私を見下すような態度を取るの?」
私たちは時々、友人や知人との関係において、こんな疑問を抱くことがあります。
そんな人間関係は、知らず知らずのうちに大きなストレスとして蓄積していきます。
「そうじゃないのよ、人生ってそんなもんじゃないのよ」
「あなただって、経験を重ねていけば分かる時がくるわ」
そんな上から目線の言葉を投げかけられたことはありませんか?
年齢も違わないし、人生の経験値もそうそう違いはないのに、まるで人生の達人みたいに説教口調で話す人がいませんか?
そんな存在が、あなたの友人だったり、職場の同僚だったりすると、ストレスは蓄積していくばかりです。
上から目線の友人や、あなたを見下すような人との関係は、自尊感情を損なうだけでなく、自己効力感を減少させることがあります。
マウントを取ってくる友人は、あなたの選択や価値観を批判してきます。
それは自己肯定感を低下させる要因となります。 また、友人があなたの成功を軽視することで、自己効力感が低下する可能性があります。これらの要因は、ストレス、不安、そして時にはうつ病の原因となることもあります。
自己効力感とは、自分がある状況において必要な行動をうまく遂行できると、自分の可能性を認知していること
Wikipedia
そうかといって、ドライに 「あなたとの付き合いはこれっきりにします!」 と宣言する勇気はなかなか湧いてきません。
しかし、今のままではあなたの心はどんどん傷つき、疲労していきます。 では、そんな人間関係からどのように離れるべきでしょうか?
人間関係の見直し
友達だと思ってつき合っていた人が、上から目線、マウント取り人間だった場合ほど厄介なことはありません。
元々嫌いだった人であれば、会ったり話したりすることを拒否することもできますが、そう簡単ではありません。
長年の友人や身近な人との関係を見直して、絶縁したり、距離を取ることは、誰にとっても難しいものです。
しかも、上から目線で物を言われたり、マウントを取られたりしがちな人は、相手の感情を優先してしまう優しい人が多いのです。 自分の気持ちを表に出すことを控え、相手に不愉快な思いを与えないように努めます。
そんな人にこそ必要なのは、まず自分の感情に正直になることです。
自分の感情や考えを後回しにしないで、真っ先に正面から見つめることです。
相手とのどんな関係がストレスや不安を引き起こしているのかを特定し、なぜそれが問題なのかを自分自身に問いかけてみましょう。
自分の気持ちに耳を傾け、その関係がもたらす感情を認識することが大切です。
意見を否定され、延々と自慢話を聞かされる
出会った頃はとってもいい人だと思っていたのに、だんだん一緒にいる時間が不快になる相手がいます。
別れて一人になって、なぜこんなに不快な気分になったんだろうと、相手との会話を思い出してみます。
そうすると、会話のほとんどが相手の自慢話、こちらの意見の否定、自分を優位にしたいがためのマウント取りであることが多いようです。
自慢話だけならいいんですが、
会っている時間、別れた後に思い出して不快な気分を味わう時間のストレスは相当なものです。
そんな不健康な状態から脱するために、絶縁することが困難なら、健康的な境界を設定することを考えてみましょう。
「あなたの言動が私にストレスを与えている」と伝える 一緒に過ごす時間を制限する などです。
いきなり相手にストレートに伝えることはハードルが高すぎるようなら、会いたいと誘われても理由を作って徐々に会う回数を減らしていきましょう。
上から目線の人の心理
あの人の上から目線の言動の根底にはどんな心理があるのかについて考えてみましょう。
- 承認欲求
マウントを取る人は、他人から認められたいという承認欲求が強い傾向にあります。 自分のステータスや実績などを誇示することで、他人からの注目や評価を得ようとします。
あなたの話を遮って、自慢話を延々とすることもあれば、こちらが不幸な体験を話すと、
「そんなの大したことないわよ。私なんかこんな酷い経験したのよ」
と不幸自慢をくり広げる人の心理には強い承認欲求があります。
- 自信のなさ
マウントを取る人は、内心では自信が持てず、劣等感を抱いている傾向にあります。 自分を大きく見せることで、不安や焦りを解消しようとします。
そもそも自分に自信があれば自慢などする必要はないわけですよね。
3. 自己中心的な性格
マウントを取る人は、自分の考えや意見を他人に押し付ける、自己中心的な性格である傾向にあります。 他人を尊重する気持ちがなく、自分の価値観を優先してマウントを取ろうとします。
心地よい人間関係の作り方
誰にもマウントを取られることなく、自分を大切にする第一歩として、心地よい人間関係を築くことが大切です。
そんな関係とは、お互いを尊重し、感情を分かち合い、共に成長を支え合うことです。
もし、あなたがいつも我慢しているなら、それは心地よい関係とは言えません。
では、どうしたらいいのでしょう?
まず、自分にとって大切なことを見つけましょう。 例えば、「正直さ」「信頼」「共感」といったあなたの大切にしている価値観を基に友人を選び直すのです。
あなたの感情や考えを正直に伝え、相手の意見や感情を大切にしましょう。 これが信頼と理解の土台となります。
友情とは、お互いに与え合うものです。 あなたが支えるだけでなく、時には支えを受け入れることも重要です。
友人が困っている時はそばにいて助けを提供し、心が弱って悩んでいるときにはその感情を共感し、寄り添ってあげましょう。
そして、あなた自身が助けが必要な時は遠慮せずに助けを求めましょう。
良い人間関係は、時間をかけて作られていきます。 急がずに、ゆっくりと関係を深めていくことが大切です。
変化を受け入れる
以前は、お互いに親友だと信じ、深い絆を感じながら時間を共有していても、時の流れとともに価値観や生活の優先順位が変わることがあります。
長時間いっしょにいることがとても楽しかった時期があったのに、いつの間にか気持ちがすれ違ってしまい、苦痛に感じるようになることもあります。
かつてとは互いの環境も変わり、いろんなことに変化が生じます。以前は対等でお互いを尊重しあっていたのに、こちらは望まないのに上下関係を作ろうとされることもあります。
対等ではないとしたら、すでに互いの関係は「友達」といえないものなのかもしれません。
2人の関わり方を振り返り、自分の感情を正面から見つめてみて、そうであると感じるなら、もう形ばかりの「友達」を演じる必要はありません。
友人が変わったとしても、それは自然なことであり、必ずしも負の感情を伴う必要はありません。
関係の変化を受け入れることで、ストレスが大幅に軽減されることで、自分自身の成長と発展を促進することができます。
変化を受け入れることは、過去にしがみつくのではなく、現在と未来に目を向けることを意味します。
自分の価値観や目標に合った人間関係を築くことで、より充実した人生を送ることができます。
もう無理をして気を使い過ぎて、傷つき疲れ果てるようなつき合いはやめましょう。
一緒にいて心地よい人、あなたを大切に扱ってくれる人、つらいときには寄り添ってくれる人、一緒に成長できる存在と友達でいてください。
もし、かつての友達に不愉快な思いを持っていることに、申し訳ないという感情を消せない場合はこのブログ記事も参考にしてください。
嫌いな人のいい所なんて見つけられない!
マウントを取る人、上から目線の人との離れ方
あなたの正直な思いを伝えて「あなたの言葉が私を傷つけ、不愉快な思いにさせている」と伝えるという方法もあるかもしれません。
もしかすると、あなたのことを大切に思っているのに、自分でも気づかずに上から目線になっていたと反省してくれる人もいるかもしれません。
そんな相手であれば、腹を割って話すことも必要です。
しかし多くの場合、それで一時的に対応をあらためたとしても、時間経過とともに同じ状況になる可能性は高いでしょう。
自分こそが一番正しいと思いこんでいる人が、あなたの言葉を真正面から捉えて、真剣に自己改革をしてくれることに期待はできません。
貴重な人生の時間をネガティブなことに費やさないためには、やはり相手と距離を取っていくのが良策です。
少しずつ離れる
いきなり縁を切るのは抵抗があったり、しこりを残さないために、マウントを取る人、上から目線の人との接触を少しずつ減らしていきましょう。
自分から連絡することは避け、向こうからの誘いに応じる回数を減らしていきましょう。
同調したり褒めたりしない
マウントを取られやすい人は、聞き上手な人が多いようです。
そこに乗じて、相手は「私が、私が」と自分の話を延々としてきます。
そこで大きいリアクションをすることは、相手をさらに増長させてしまうことになります。
話の内容に不快なものを感じたら、話題を変えるか、反応するのを最小限にしましょう。
距離を取ることを悔やまない
離れることで、かつてはあんなに仲が良くて、大切な人だったのに、と寂しくなったり、自分を責めたりするのはやめましょう。
人生はまだまだ長いです。
これから先、お互いに成長していき、いずれまた再会することがあるかもしれません。
意気投合していた頃より、お互いを理解しあえるようになることもあるかもしれません。
その時には、離れた時期も大切な期間であったと思えるようになるはずです。
今という時間があるのは当たり前じゃない
私達は、生きていることが当たり前だと感じながら生きています。
「いつ死ぬんだろうか?」と戦々恐々としていては、日々を楽しく過ごすこともできないわけですが。
明日も、明後日も、来年も、再来年も、10年後も、20年後も、今と変わらず健康なまま生きているだろうと思っていると、大切なことを後回しにしてしまいがちです。
私は、消防士だった頃、数多く出動してきた救急現場、火災現場、救助現場で、幼い命や若者の命が突然の事故や災害で失われてしまう光景を目にしてきました。
そのたびに、今こうして健康で生きられていることは当たり前じゃないな、と感じてきました。
もっと生きている時間を大切に過ごさないと、きっと後悔するに違いないと感じてきました。
そんな貴重な人生の時間を、不愉快な人間関係に費やすことは極力避けていくべきだと考えてきました。
ぜひ、あなたもそういう視点で自分の人生の時間について考えてみてください。
まとめ
私たちの時間は有限です。
だからこそ、お互いを尊重しあえる健康的な人間関係に、貴重な時間を費やすべきです。
そんな時間の使い方があなたの幸福感に直接影響を与えます。
相手の気分に振り回されたり、自慢話につきあわされたりして、ストレスを溜める不愉快な時間を過ごしているのは、あまりにももったいないことです。
互いに支え合い、成長を促す友人との関係を深めることや、自分を成長させてくれることに時間を使いましょう。
最終的に、時間の使い方を見直すことは、自分自身との関係を強化し、人生の質を向上させることにつながります。自分にとって重要なことに時間を使い、それによって生まれる幸福感を大切にしましょう。