毎年、小学校、中学校、高校の講演会で生徒さんに
「産んでくれてありがとう」
「育ててくれてありがとう」
をご両親に伝えて欲しいとお話をしています。
人権がテーマの講演会で、
「ありがとう」を言いたくても、事故で命をなくし言えなくなった人のことをお話します。
そして、小学生の頃から両親に心配ばかりをかけてきた私自身が、実際に感謝の言葉を伝えた経験をお話します。
講演が終わり、後日感想文を送ってくださる学校があります。
なかなか照れて言いづらい年頃ですが、毎回何人もの生徒さんが、
「思い切って『産んでくれてありがとう』と伝えました」
「顔を見ると恥ずかしくて言えないので、手紙にして渡しました」
というふうに報告してくれます。
中には言い出せなくて、
「今は言えませんが、いつか必ず伝えたいと思いました」
という内容もけっこう多くいただきました。
2月26日に、松江市中海倫理法人会のモーニングセミナーで講話をさせていただきました。
講話の中で、「産んでくれてありがとう」を母親に伝えた話もしました。
バイクの単独事故で亡くなった青年を搬送したことがきっかけで、必ず親に感謝の言葉を伝えようと決心した、私自身の体験でした。
昨年、倫理法人会に入会して毎週輪読する「万人幸福の栞」には、そんなことも書かれていました。
【十三】本を忘れず、末を乱さず 反始慎終の中の一節に、
最も大切な、わが命の根元は、両親である。
親を尊敬し、大切にし、日夜孝養をつくすのは、親がえらいからではない。世の中にただ一人の私の親であるからである。
という文章があります。
この箇所を輪読するとき、思わず涙が流れそうになりました。
思えば、自分の子どもに対しては、勉強ができるから、スポーツができるからなど、そんなことは関係なく、世の中にただ一人の私の子どもであるから、心の底からその存在を愛しました。
それなのに、親に対しては、不平不満を言ったり、ときには見下した物言いをしたりしたこともありました。
それなのに、両親は私の息子たちの誕生を心から喜び、無条件にかわいがってくれました。
そんなことを思いながら、最後に子どもが生まれたときの喜びを歌ったオリジナルソング「輝いていた日々」を歌いました。
子どもたちが幼かった頃の思い出の一日一日が輝いていましたが、今日このときも輝いている日々なのだと思いました。
モーニングセミナーから数日後、会長さんをはじめ数人の方からお礼の手紙や葉書をいただきました。
さらに、事務局さんからは、参加した人の感想とお礼文をいただきました。
講演時のアンケート結果をいただくことはよくありますが、こんなに何人もの方からいただくのは初めてでした。
本当に心より感謝申し上げます。
松江市中海倫理法人会さんは、毎週火曜日の朝6時からモーニングセミナーを開催しておられます。
倫理法人会の学びにご関心をお持ちの方は、ぜひご参加ください。