心の元気講演家 石川 達之ホームページ

笑い

日本海新聞に掲載された石川達之のコラム

「笑い」のチカラ(日本海新聞コラム)

以前から「笑い」というテーマで障がい者家族会、介護者教室などでお声をかけていただく機会がありました。

家族を介護していく中でどうしてもストレスを溜めがちになるので笑わせて欲しい、という講演依頼でした。

打合せ、会場の準備、片づけのときなどに家族の介護をしていらっしゃる方から伺う介護の苦労は、私の想像をはるかに超えたものでした。

そんな話の中に、先の見えない長い介護生活で心身ともに疲へいしきっているとき、寝たきりのおじいちゃんがふいに「プーッ」ととても長い、間の抜けた音階のオナラをしたため、家族で顔を見合わせて噴き出したことがあった、というエピソードがありました。

長い期間笑うことも忘れていたのに、ふっと心身の力が抜け、ほのぼのとした気持ちになって笑い、涙を流されたそうです。「笑うって大事なことですね。もう限界だ、と思っていたのに、またがんばろうという気持ちになりました」と語られました。

ここ数年、「笑って心の健康」というテーマでの講演依頼を、企業、お寺、公民館などさまざまな団体から受けることが多くなりました。

免疫力を上げ、ストレス抵抗力を高めるために、日々の生活の中で「笑い」を見つけ、会話に「笑い」を取り入れる方法、さらには「笑い」を生み出すコツなどについて実例をあげ、歌を交えてお話しさせていただきます。

「笑い」を見つけ、取り入れるという行為は、私自身が笑えない時期を過ごしたからこそ取った方法でした。

自分の心が弱り切っているときに、同僚を笑わせたり、友人と笑いあったりすることが、エネルギーを充てんすることになりました。笑うことで肩の力が抜け、相手との心の距離がぐんと縮まるというメリットもあります。

「笑い」にも多種あり、ブラックな笑い、攻撃的な笑いもあります。時と場所、聞き手の心理的な状況などで、それが「笑い」になるかならないかが決まるデリケートなものでもあります。

そんな多様な「笑い」の中でも、自己開示を伴う「笑い」は優秀なコミュニケーションツールとなります。自己開示は、コミュニケーションの基本であり、信頼関係を築くための基本でもあります。

初めて訪れた土地での講演で、私が壇上に立つと、「あれは誰?」というアウェーな空気が充満することがあります。そんなとき、「みなさん、せっかくお越しくださったのに、オーラのない講師で申し訳ありません」の一言に続く失敗談、挫折経験などを交えた自己紹介で笑いが起こると、空気が一転して、会場に笑顔が広がります。

私自身のストレスも「笑い」で見事に解消されることを、身を持って体験する瞬間です。

日本海新聞「潮流」の記事画像
suzukake

がん患者さんと家族の方に歌いりの講演を

がん患者の方々に元気を与え、心を癒すためにというご依頼をいただき、鳥取県立厚生病院内のすずかけサロンの5周年記念イベントでオリジナルソングを交えてお話しました。

この講演では、「笑いで元気」というテーマで構成しました。

点滴を受けながら車椅子で聴講している患者さんもたくさんいらっしゃいました。

笑いの力で免疫力を上げる

入院患者さんはもとより、家族の方も大きなストレスを抱えて日々を過ごしていらっしゃいます。

この病院には、かつて癌で他界した私の親族も入院していました。

身内の人間としては、何をやっていても、心の底に重たい鉛のようなものがあり、息苦しさを感じながら生活をしていました。

笑いを届けることで免疫力を上げ、心を癒やしていただこうと、内容をいろいろと考えました。

がん治療中の方々は、身体的、精神的に大変なストレスを抱えていらっしゃいます。 そのような方々に、楽しい時間を一緒に過ごすことが一番大切だと考えました。

涙と笑いで心を癒やす

すずかけサロンで歌う石川

人間の感情は喜怒哀楽があることはよく知られています。

そんな感情の中でも、ストレス解消に役立つ感情は「笑うこと」と「泣くこと」です。

ギャグソングで大いに笑っていただくだけではなく、泣いていただこうと考えました。

私のオリジナルソングの中に「里帰り」という歌があります。

故郷を離れ、都会の学校に通っている子どもが久しぶりに帰省した情景を歌と語りにしています。

語りのエピソードに笑っていただき、歌部分では子どもを思う親心に、多くの方がハンカチをとりだして涙を拭っておられました。

心が少しでも軽くなっていただきたい

家族の方々は、患者さんの側にいることが多いため、自分自身の体調管理やメンタルケアを怠りがちになります。

しかし、家族の方々が健康でいることは、患者さんをサポートする上で非常に重要です。

このすずかけサロンは、がん患者さん家族の皆様の交流ために作られたそうです。

お互いを支え合いながら、前向きに生活されるために、交流だけではなく勉強会も開催されているそうです。

微力ながら私にそのお手伝いができるならと、一緒に楽しい時間を過ごさせていただきました。

ご来場いただいた皆様、ありがとうございました。
こんな私でお役に建てるなら、ぜひまたお目にかかりたいと思います。

すずかけサロン「笑いのコンサート」のチラシ
項 目内 容
講演会タイトルがん患者会すずかけサロン5周年記念コンサート
日 時2013年6月4日(火)14:00~15:30
演 題笑いのコンサート
場 所鳥取県倉吉市昭和町 県立厚生病院大会議室
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