生きていれば誰もが経験する失敗や挫折。
その当時は苦しくて、思い出すたびに胸が傷んだり、深い後悔の念にとらわれたりした経験は、誰にもあります。
もちろん、私も思い出すたびにひどい失態を演じた事や、取り戻せない人間関係を悔やみ、とても重い気分で毎日を過ごしていた時期もありました。
「神様、仏様、もう一度あの時に戻してください。あの場所から私の人生を再起動してください」
そう祈ったことも何度かありました。
そんな経験を、今では心の健康テーマの講演で話し、たくさんの方に聞いていただいています。
以前「あなたの経験と学びが誰かを救う」というタイトルのブログ記事に、
どんな職業経験も、どんな人生経験も、どんな学びも、とても価値があるものだと思います。
それなのに、多くの人は、
「自分の経験なんて月並みで、とりたてて人に話したりどこかに発信するような資格も、価値もないよ」
と、経験・学びを伝えることを尻込みします。
と書きました。
あなたの経験や学びは、尻込みしないで伝えることで、誰かの役に立つ可能性を秘めています。
今回は、自分自身の誇れる技術や成功体験について話すのではなく、かつての自分が苦しみ、悩み、もがいた経験を伝えることの大きな価値についてお話したいと思います。
深い共感を生むマイナス経験の力

成功体験も、もちろんとても価値ある経験です。
どうやって成功したかを知ることは、自分自身が成功に近づくための近道となる可能性があるので、魅力的です。
しかし多くの場合、成功には、その過程で大きな失敗や、苦悩した体験が存在します。
長く繁栄している企業のトップの話を聞いても、ずっと順風満帆ではなく、外部からは伺い知れないトラブルがあったり、乗り越えるまでは波乱万丈な体験をされている人が多いと感じます。
大きな企業のトップも、私たちと同じようにトラブルに悩まされ、不安で眠れない夜を過ごしていることに、共感を覚えます。
規模こそ違え、私たちも「自分自身の人生」という事業の経営者です。
私たちの失敗や挫折は、誰かの気づきや、かけがえのないノウハウとなる可能性に満ちています。
マイナス体験だけでも大きな意味がある

マイナス体験は、それが成功へとつながらない場合でも、大きな意味を持っています。
同じ苦しみ、悩みを持つ人、同じような挫折を体験した人に伝えることで、
「この苦しみは自分だけが体験しているものじゃないんだ」
「自分だけが特別おかしいわけじゃないんだ」
そう思えただけで気持ちが楽になるケースもあります。
苦しみや悲しみを癒やす力になり、やがて立ち上がるきっかけになれることもあります。
マイナス体験は、そのまま自分でしまい込まずに、誰かに伝えることで、大きく言えば「社会貢献」にもなり得るのです。
マイナス体験を見直すことで見えてくるものがある

マイナス体験を誰かに伝える場合、振り返って過去の出来事を整理することになります。
整理することで、一度客観的に見つめることで、今まで気づかなかったことに気づくことがあります。
「そうかあの時に選択を間違えて失敗だと考えていたけど、今の自分にたどり着けたのはそのおかげだったのか!」
恋愛話でいえば、
「あの苦しかった失恋の経験があったから、今の妻に出会えて結婚できたんだ」とか。
「あの時、上司と対立して、ずいぶん非難されたけど、今となっては向こうの一方的なパワハラで、自分は間違っていなかったんだ」
と、年月が過ぎてから振り返って気づくこともあります。
マイナス体験という宝物を輝かせよう

そんな貴重なマイナス体験は、いろんな形で伝えることができます。
- SNS
- YouTubeやポッドキャスト
- ブログやNote
- Kindleなどの電子出版
- PODで紙ものの出版
- 自費出版
- 講演やセミナー
- NPOなどの活動を通して
- 自治体や公民館活動を通して
まだまだ他にもあるかもしれません。
たくさんある選択肢の中から自分にあったものを選んで、まずはハードルを下げて地道にやっていくのがいいと思います。
私の場合は、このブログだけは20年以上継続していますが、まずはいろいろやってみようということで始めたYouTubeは、2つチャンネルを作りましたがどちらも何年も停止状態です。
SNSは、XもフェイスブックもNoteも長期休眠中です。
どれかを選んでみて、どうも自分には合わないな、と感じれば別の形で発信してみましょう。
今まで日陰に置いていた宝物は、簡単に輝かない場合が多いのではないかと思います。
ぜひ、じっくり楽しみながら磨いて行きましょう。