【寺族婦人会研修会】人を大切にする人に、自分も大切にしてほしい

中国ブロック寺族婦人研修会鳥取大会の講演会場

人のことは大切にできても、自分のことは後回しにしてしまう。

いつも誰かの話を聞き、誰かの心に寄り添っている人ほど、そうなってしまうことがあるのではないでしょうか。

2018年6月29日、鳥取市で開催された「第50回中国ブロック寺族婦人研修会鳥取大会」で、講師を務めました。

私がお伝えしたのは、命や平凡な日常の大切さとともに、いつも人を支えている皆さん自身のことも大切にしてほしいということでした。

目次

救急現場で知った命の大切さ

私は消防士として32年間、多くの事故や救急の現場に出動しました。

大きくへしゃげた車のドアをこじ開け、瀕死のけがを負った方を救出したことがあります。

その後も数多くの現場を経験しましたが、あのとき目にした光景を忘れることはできません。

一つ一つの現場の記憶は、長い年月の中で意識の奥へ沈んでいきます。それでも、思いがけない瞬間に蘇ることがあります。

たまたまその事故現場の近くを、車で通ったときのことです。

道路の片隅に、花が供えられていました。

その花を目にした瞬間、かつてその場所で必死に助けを求めていた人や、すでに息絶えていた人の姿が蘇りました。

事故から数十年が過ぎても、その場所には花が供えられていました。

そこには、亡くなった方を今も忘れずにいる家族がいる。

そのように感じると、命の重みとともに、何気なく過ごしている毎日のありがたさをあらためて考えずにはいられませんでした。

健康でいること。

大切な人がそばにいること。

朝を迎え、いつものように言葉を交わせること。

それは決して、当たり前に約束されたものではありません。

大切だと分かっていても、忘れてしまう

人は、「大切だ」と分かっていても、その大切さを忘れてしまうことがあります。

病気をしたときには、健康であることのありがたさを痛感します。けれども、体調がよくなると、その思いは少しずつ薄れていきます。

遠く離れて暮らしているときには、家族の存在をありがたく感じます。ところが、一緒に過ごす時間が長くなると、感謝を言葉にすることも少なくなってしまいます。

私も同じです。

だからこそ、ときどき立ち止まり、今ある命や身近な人の存在を見つめ直すことが必要なのだと思います。

人を支える人にこそ、自分も大切にしてほしい

高野山真言宗寺族婦人会講演会のステージ画像

寺族婦人の皆さんは、日頃から信者さんや地域の方々と接し、その話に耳を傾けていらっしゃいます。

私も講演の前後に研修へ参加し、皆さんが人の心や命、先祖への感謝と向き合っておられることを感じました。

だからこそ、この日、私が伝えたかったことがあります。

それは、人を大切にすることと同じように、自分自身も大切にしてほしいということです。

人のために一生懸命になるあまり、自分の疲れや苦しさを後回しにしてしまうことがあります。

反対に、自分のことで精いっぱいになり、周りの人を思いやれなかったと、自分を責めてしまうこともあります。

「人を大切にすること」と「自分を大切にすること」は、どちらか一方だけを選ぶものではないはずです。

自分をいたわることが、また誰かに優しく向き合う力につながるのではないでしょうか。

笑いと涙のあった講演会

この日は、2日間にわたる研修会の2日目でした。

講演の前半では大いに笑っていただき、後半では涙を拭いておられる方の姿もありました。

普段から人の生や死、心の問題と向き合っている皆さんだからこそ、消防・救急現場で私が経験した出来事を、それぞれの立場で受け止めてくださったのかもしれません。

人と自分を大切にすること。

言葉にすれば簡単ですが、毎日の暮らしの中で実行し続けるのは、決して簡単ではありません。

それでも、ときどき立ち止まって、自分や身近な人に目を向けることはできます。

私もこれから、優しさや思いやり、心のぬくもりを、周りの人だけでなく自分自身にも届けていきたいと思います。

寺院・宗教団体の研修会をお考えの方へ

寺院や宗教団体、寺族婦人会など、人の心に寄り添う方々を対象とした研修会では、消防・救急現場での体験をもとに、命の大切さや心の健康についてお話ししています。

ご希望に応じて、オリジナルソングの弾き語りを交えた講演も行っています。

参加される方や研修会の目的に合わせて、講演内容をご相談いただけます。

お寺で行った講演・コンサートについては、こちらの記事でも紹介しています。

お寺さんで笑って健康に歌う

講演についてのご相談は、お問い合わせページからお願いいたします。

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