2020年8月29日金曜日、岡山県井原市で心の健康講演会が開催され、講師を務めさせていただきました。
新型コロナウイルス感染症対策を実施しての講演会でしたが、感染者が発生することもなく、無事に開催できました。
開催日から今日で17日が経過していますが、感染者や濃厚接触者の発生情報は来ておりません。
私自身もスマホに新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA) を入れていますが、もちろん
「陽性者との接触は確認されませんでした」と表示されています。
当日実際に行われた感染症対策と、講演者として講演を実施することで感じたこと気づいたことを書きたいと思います。
コロナ禍のこんな時期だからこそ開催したい
最初に講演依頼の連絡をいただいたのは、昨年の新型コロナの存在などまったく知らなかった時期でした。
岡山県井原市の健康医療課の方が、私のホームページを見て「感動しました」とご依頼メールをいただきました。
健康医療課と教員委員会とのタイアップで、実行委員会で運営しているとのことでした。
3月に入ると、私がご依頼をいただいていた他の講演会の主催者さんから、次々と中止の連絡が入るようになりました。
「井原市の講演会も、近いうちに中止の連絡が入るんだろうな」と、諦めていました。
ところが、4月になっても中止の連絡はありませんでした。
4月末に「5月下旬に実行委員会で方針を決定します」と連絡をいただきました。
担当者さんとのメールでのやりとりの中で「こんな時期だからこそやりたいですね」と話し合っていました。
テレビでは連日早朝から深夜まで、ニュースからバラエティ番組まで新型コロナウイルス関連の情報が飛び交う状態となりました。
「5月には開催する方向で進めているが、会場の使用方法や参加人員をどうするかはまだ明確にはなっていない」旨の連絡をいただきました。
担当者さんをはじめ実行委委員会のみなさんが、情報を収集し、検討されている様子が伝わってきました。
講演会場の感染症対策
講演会は13時受付、13時30分スタートで、リハーサルもあるため朝9時半から入りました。
当日の新型コロナウイルス感染対策は、
・検温
・マスクの着用の徹底
・手指消毒の実施
・受付での密集対策
会場入口を覗いてみると、すでに受付の準備は完了していました。
参加者が一箇所に滞留しないように、名前のあいうえお順で5つのテーブルで分けて受付できるように準備されていました。
・参加者の連絡先の記録
講演参加申込みは、開催日の2周間前が締め切りになっていて、電話またはFAXでの申込みなっているため、住所氏名は事前に記録されることになっていました。
もしもの事態でも即座に連絡を取ることができていました。
・席の離隔距離の確保
ホールの席数を半数以上に減らし、参加者同士が隣り合わないように徹底してありました。
・講演者と客席との距離の確保
ステージと最前列の客席との距離もかなりある上、講演者である私の立ち位置も客席から離して設定されていました。
・会場の換気
猛暑の昼下がりと強烈に暑い日でしたが、会場のすべての出入り口は開放され、常時換気されていました。
当然のことですが、講演会スタッフの皆様、ホールのスタッフさん、マスク着用は徹底されおり、私自身もステージ上でのリハーサル、本番以外はマスク着用で過ごしました。
講演をやって気づいたこと、感じたこと
やっぱりライブ感は失いたくない
私にとっては半年ぶりの講演となりました。
久しぶりの講演で感じたことは、
「生(ライブ)はいい!」ということでした。
テレビのバラエティー番組でよく芸人さんが言われるように、客席の反応がダイレクトに感じられることで、こちらも語りのニュアンスや歌への没入感も違ってきます。
講演を聞きながら涙を拭かれる様子や、しんみりと耳を澄ましていらっしゃる姿を見ながら話したり歌ったりすることで、感動が共有できているなあ、と肌で感じることができます。
ロックのライブみたいにシャウトしながらコールアンドレスポンスするわけではありませんが、表情や反応でのコールアンドレスポンスがあるわけです。
講演者としてやり甲斐を感じる瞬間なんですね。
自室からリモートでやるのと違って、会場の素晴らしい音響でしゃべったり歌ったりすることで、いつも以上にいい声が出せている、いいパフォーマンスができていると感じることができました。
手話通訳さんや要約筆記担当者さんにも、終了後にご挨拶させていただきました。
一緒に講演会を作り上げているんだという気持ちが、参加された皆さんにも伝わっていたと思います。
井原市のスタッフを務めていただいた皆さんが感じのいい方ばかりで、早い時間から入った私へのお心遣いに、頭が下がる思いと、こうやって実際にやって来て言葉を交わすから達成感もひとしおなんだと、あらためて感じました。
アンケートでわかったコロナ禍だからこそ必要な心の健康講演会
担当者さんから送っていただいたアンケートを読んでいて、思わず胸にグッとくるものがありました。
その中のいくつかをご紹介します。(プライバシーの問題がありますので部分的にご紹介します)
・心が癒やされました。ありがとうございました。(60代女性)
・自分が元気になって、周りの笑顔を増やす。実際にやってみようと思いました。
・今、家のこと、仕事、親のことで大変な時期になってきて(略)心に染みた。自分にもやさしい言葉をかけていいんだ。(50代女性)
・ご自身の実体験からのお話で、心に響きました。
ついつい「がんばれ」と言い過ぎてしまい、共感を忘れていることに気付かされました。
一日を生きることに必死な友にかけてあげる言葉・・・私にできる支えをしていきたいです。(50代女性)
・今日の講座ほど、心打たれた、心に残る講座はありませんでした。
特に最後の歌は、このコロナの時に東京にいる孫、◯◯にいる娘を思い出し、胸が熱くなりました。本当にありがとうございました。(60代女性)
毎日毎日、朝から晩までテレビからはコロナの話題が続きます。
ただでさえストレスの多い現代を生きている私たちなのに、不安と恐怖を毎日感じ、つのらせています。
親しい人と会って楽しい会話することさえもためらわれ、病気の家族や友人を見舞うこともできないでいます。
今まで普通だと考えていた親しい人との交わりが、これほど尊いものだったことに気付かされる日々です。
今できる手段を用いて、大切な人とつながることや、感染症対策をしっかりして出かけることがとても大切だと思います。
そんな気力さえもなくしてしまう人が多くなっている今こそ、心の健康講演会で
あなたは一人じゃない
あなたは大切な存在
心が疲れた休もう
そんな普段ならば当たり前だと感じることを、心に響く言葉で伝えていくことが、今こそ、これからこそ必要なことだと強く感じた講演会でした。
岡山県井原市の皆様、ありがとうございました。
項 目 | 内 容 |
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タイトル | 令和2年度くらしと人権講座(第1回) こころの健康講演会 |
日 時 | 令和2年8月29日(土) 13:30~15:00 |
演 題 | 「救急現場が教えてくれた命の重さ ~心を支える言葉の力~」 |
場 所 | 岡山県井原市七日市町12−1 アクティブライフ井原 メルヘンホール |
主 催 | 岡山県井原市役所 健康医療課 |