子どもを怒りすぎて自己嫌悪……その後に親ができること

子どもを怒りすぎたあと、並んで話す親子の後ろ姿

子どもの寝顔を見ながら、

「どうして、あんなに強く怒ってしまったんだろう」

と後悔したことはありませんか。

本当は大切で、かわいくて仕方のない我が子なのに、感情が抑えられず、大きな声で叱ってしまう。

子どもが泣いたり、黙り込んだりした姿を見て、今度は自分を責めてしまう。

「自分は親に向いていないのではないか」

そこまで落ち込むこともあるかもしれません。

私も子育てをしてきたなかで、子どもを叱りすぎて、後から自己嫌悪に陥ったことがあります。

怒ってしまったことは、なかったことにはできません。

それでも、感情的になったことを認めて子どもに謝り、なぜあれほど怒ったのかを振り返ることはできます。

大切なのは、自己嫌悪のなかで自分を責め続けることではなく、その後、子どもとどう向き合うかではないでしょうか。



私は、子育てについて専門的に研究してきたわけでも、いつも穏やかに子どもと向き合うことができた父親でもありません。

感情的になって怒りすぎてしまい、後から大反省したことも何度もあります。

二人の息子が大人になってから、一緒に居酒屋で酒を飲みながら、当時の私の言葉や態度を息子たちはどう受け止めていたのか、子育ての答え合わせをするように話したこともあります。

子育てをしている最中には分からなかったことに、息子たちが大人になってから気づかされたこともありました。

この記事は、子育ての正解を教えるために書いているのではありません。

失敗したり、後悔したりした父親の一人として、私自身の経験から感じたことをお伝えしたいと思って書いています。

目次

怒りすぎた直後は、まず自分を落ち着かせる

泣いている子ども

怒りが残っているときに話を続けると、さらに強い言葉をぶつけてしまうことがあります。

そんなときは、すぐに話をまとめようとせず、まず少し時間を置いたほうがよいと思います。

子どもの安全を確認したうえで、その場を少し離れる。

水を飲む。

ゆっくり息をする。

顔を洗う。

自分に合う方法で、まずは高ぶった気持ちを落ち着かせます。

「親なのだから、今すぐきちんとしなければ」

と思うほど、かえって心の余裕がなくなってしまうことがあります。

すぐに完璧な対応ができなくても構いません。

まず、これ以上感情をぶつけないことが大切です。

強く言いすぎたことを子どもに謝る

買い物帰りのお母さんと女の子

気持ちが落ち着いたら、強く言いすぎたことを子どもに伝えます。

例えば、

「さっきは、大きな声で怒りすぎた。怖かったよね。ごめん」

と謝ることはできます。

ここで大切なのは、叱った内容まで、すべて間違いだったことにしなくてもよいということです。

感情的に怒鳴ったことは謝りながら、伝える必要があったことは、落ち着いてもう一度伝えられます。

例えば、子どもが門限を過ぎても帰ってこなかった場合です。

「怒鳴ってしまったことはごめん。でも、暗くなっても帰ってこなかったから、本当に心配したんだよ」

このように伝えれば、親が怒っていたことだけでなく、その奥にあった心配も子どもに伝わります。

謝ることと、必要なことを伝えることは、両立するのだと思います。

子どもの話も聞いてみる

お父さんに遊んでもらっている子供

親の気持ちを伝えた後は、子どもの話も聞いてみます。

「どうして遅くなったの?」

と問い詰めるのではなく、

「何かあったの?」

と尋ねるだけで、子どもの受け止め方も少し変わるかもしれません。

子どもには、子どもなりの事情や気持ちがあるはずです。

うまく説明できないこともあるでしょう。

すぐには話してくれないこともあります。

それでも、親の側が話を聞こうとしていることは伝えられます。

子どもの話を最後まで聞いたうえで、

「次から遅くなるときは連絡してほしい」

と伝えれば、怒りをぶつけるだけで終わらず、次にどうするかを親子で考えることができます。

自己嫌悪で終わらず、怒りの奥を振り返る

怒りすぎてしまった後は、

「私はなんてダメな親なんだろう」

と自分を責めがちです。

けれど、自分を責め続けるだけでは、次に似たような場面が起きたとき、また同じように怒りが爆発してしまうかもしれません。

少し気持ちが落ち着いたら、

「今日、私はどうして、あんなに激しく怒ったのだろう」

と振り返ってみます。

怒りの奥には、別の気持ちが隠れていることがあります。

子どもに何かあったのではないかという心配。

何度言っても伝わらない悲しさ。

時間に追われている焦り。

仕事や家事で疲れ切っていたこと。

自分の思いどおりにならないことへのいら立ち。

周囲から「ちゃんとしつけていない親」と思われることへの不安。

怒りそのものを無理に消そうとするより、

「私は心配だったんだな」

「今日は疲れていて、余裕がなかったんだな」

と、その奥にある気持ちに気づくことが、次の対応を変えるきっかけになるように思います。

「怒ること」と「叱ること」は同じではない

子どもを叱ってはいけない、ということではありません。

道路へ飛び出そうとしたときや、命に関わるような危険な行動をしたときには、大きな声で制止しなければならないこともあります。

人を傷つけたり、してはいけないことをしたりしたときには、きちんと伝える必要もあります。

ただ、子どもの行動を正すために伝えることと、親の感情を子どもにぶつけることは、同じではありません。

私自身の子育てを振り返っても、頭ではその違いが分かっていても、実際には簡単に切り替えられないことがありました。

親子のように関係が近ければ近いほど、感情は強く動きます。

だからこそ、怒ってしまった自分を責めるだけではなく、

「本当は何を伝えたかったのか」

を、もう一度考えてみることが大切なのだと思います。

次に同じ場面が来たときの準備を一つ決める

「もう二度と怒らない」

と決心しても、子育ては毎日のことです。

忙しい朝もあれば、何度言っても子どもが動いてくれない日もあります。

親だって人間ですから、いつも穏やかでいることは難しいでしょう。

そこで、大きな目標ではなく、次に同じような場面が来たときの行動を一つだけ決めてみます。

  • イラッとしたら、すぐに言葉を返さず一度黙る
  • 水を一口飲む
  • 「今、私は焦っている」と心の中で言う
  • 子どもの安全を確認して、その場を少し離れる
  • 「何があったの?」と先に事情を聞く

全部できなくても構いません。

一つでも思い出せたら、それが次の一歩になります。

そして、また怒りすぎてしまったとしても、

「やっぱり私はダメだ」

と諦めるのではなく、そのたびに振り返ってみる。

子育ては、その繰り返しなのかもしれません。

一人で抱えきれないときは、誰かに話す

怒鳴ることが繰り返される。

手を上げそうになる。

自分でも感情を止められず、子どもを傷つけてしまうのではないかと怖くなる。

そのようなときは、一人で何とかしようとせず、家族や信頼できる人、地域の相談窓口などに話してみてください。

助けを求めることは、親として失格だからではありません。

子どもと自分を守るために必要な行動です。

こども家庭庁の「親子のための相談LINE」では、子育てや親子関係について相談できます。

緊急性を感じるときや、子どもへの接し方に強い不安がある場合には、児童相談所虐待対応ダイヤル「189(いちはやく)」があります。

怒ってしまった後からでも、できることはある

子どもを怒りすぎて後悔しているのは、本当はもっと穏やかに向き合いたかったからではないでしょうか。

大切にしたいと思っているからこそ、自分の言葉や態度を後悔するのだと思います。

怒ってしまったことは取り消せません。

それでも、

「さっきは言いすぎた。ごめん」

と伝えることはできます。

子どもの話を聞くこともできます。

なぜ自分があれほど怒ったのかを振り返り、次にできる小さな行動を一つ決めることもできます。

自己嫌悪で一日を終わらせるのではなく、親子の関係をつなぎ直すための一歩に変えていく。

完璧にはできなくても、その一歩を重ねていけばよいのではないでしょうか。

子育て講演会・保護者向け講演について

子育て講演会や学校・PTAの保護者向け講演では、立派な子育ての成功談をお話ししているわけではありません。

私自身が二人の息子を育てるなかで失敗したこと、怒りすぎて後悔したこと、息子たちが大人になってからの会話で初めて気づいたことも、包み隠さずお話ししています。

また、32年間の消防・救急現場で感じた命の大切さや家族との関わりについて、オリジナルソングの弾き語りも交えながらお伝えしています。

完璧な親を目指すのではなく、迷いながら子どもと向き合うことの大切さを、参加者の皆さんと一緒に考える講演です。

講演内容については、子育て講演会のご案内をご覧ください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次