子育てに疲れたときには思い出そう

眠る赤ちゃん

子育てはとてもやり甲斐があって、とても大事で、とても楽しいものですね。

その一方で、共働きのご夫婦も多いし、シングルで一生懸命育てていらっしゃる家庭も少なくないので、毎日忙しくしながら、子どもへの愛情も責任もあるので、とても疲れているお父さんお母さんも多いと思います。

保護者会主催の講演会に参加された方からよく聞くのが、
「仕事で疲れて帰ると、子どもたちが兄弟喧嘩するので、もうイライラしてつい怒っちゃって、あとで落ち込むんです」とか、
「子どもにちゃんとしてあげていないんじゃないかって、毎日不安で苦しいです」という言葉です。

そんなふうに子育てに疲れたときに、思い出していただきたいことを今日はお話したいと思います。

私自身、これからお話することを、思い出すことで、子育てが楽になって、子どもへの愛情が一層深まりました。
この記事を読んで、気持ちの切り替えができて、少しでも気持ちが楽になっていただければ嬉しいです。

目次

楽しいばかりじゃない子育て

頭を抱える女性

どこの家庭だって、子育ては楽しいばっかりじゃないですよね。

親としての接し方がこれで正しいのか、とか
時間がなくてイライラして毎日がつらいと感じる時期もあるかもしれません。

私の子育て時代も、子どもの成長とともにいろんな心配ごとや悩みがありました。
仕事や人間関係の悩みに加えて、子育ての悩みが重なっていっぱいいっぱいになることだってありました。

子どもはこんなに可愛いのに、苦しいなぁと感じる瞬間もあります。
そんな疲れているときは、誰でも大事なことを忘れてしまいがちになります。

そんなときに思い出していただきたい2つの大切なことがあります。

・子育てで心がけていることを自分にはやっていない
・子どもと暮らす日々は宝物の時間

この2つです。

子育てで心がけていることを自分にはやっていない

子供を背負ってやる掃除に疲れた若い母親

親としては、子どもに対して、こんな子に育って欲しいという願いがあります。
人によって、その願いはいろいろと違いがあるかもしれませんが、
優しくて思いやりがあって強い心をもった子に育って欲しい、というのは共通した願いじゃないでしょうか。

そのために、
自尊感情の高い子になるように、他人と比較しない、怒りすぎないようにする、とか
存在そのものを無条件に愛してあげる、とか
減点方式ではなく、加点方式で、いいところを見てあげる、とか
結果ではなく、その過程、努力を認めあげる、とか
しっかりと話しを聞いてあげる、とか
いろいろと心がけていることがあると思います。

ところが、忙し過ぎたり、親自身が人間関係で悩んでいたりすると、それがなかなか思い通りにできなかったりしますが、
思い出して欲しいのは、そんなふうに疲れ切って、
「あー、今日もイライラして子どもを叱り過ぎてしまった。なんて私はだめな親なんだ」
と自分を責めているとき、子育てでは気をつけようとしていることが、自分にはできていないことが多いということです。

たとえば、自分の子どもとよその子どもとを比較しないように心がけている、という人でも、
「あー、よそのママはちゃんと上手に子育てしているのに、私はなんてだめなママなの」
などと自分と他人を比較して、自分自身を責めていることがあります。

でも、考えてみてください。
誰もが「親」として生まれて来てはいません。
子どもが生まれて、初めて親として子どもに接するわけですから、誰もが満点の子育てなんてできるわけありません。

不安を感じながら、迷いながら育てていくのが親だとも言えます。
なので、減点方式ではなく、加点方式で自分を見てあげてください。
「満点じゃないけど、忙しい日々の中で、自分は頑張っている」
と認めてあげてください。

子どもを「感謝できる子に育てたい」と思うように、自分自身にも「ありがとう」を言ってあげてください。

自分の子どもが、たとえばクラスで一番の成績を取らなくても、何かの競技で1位にならなくても、頑張る姿には感動するじゃないですか。
ときには何もかも投げ出したくなるくらい、毎日がんばっている自分自身も十分に認めてあげてください。

子どもの話はしっかり聞いてあげることが、子どもの心を豊かにすると言います。
親も、夫婦相互に相手の話をしっかり聞くことで、心を少しずつ楽にしていきましょう。
そして、自分自身の心の声をしっかり聞くことで、無理をし過ぎないようにしましょう。

親が悲しい顔や、イライラした顔をしていると、子どもに伝わります。
親が明るいと、子どもの心も明るくなります。

そのためにも、子どもにしてあげたいと思っていることを、自分にもしてあげてください。

子どもと暮らす日々は宝物の時間

笑い合う幼い子供

子育てが終わった人の多くは、後悔しています。
それは、「もっと子どもと一緒の時間を過ごせばよかった」ということです。

子育て時代は、仕事が忙しくていっぱいいっぱいで余裕がなかったけど、子育てが終わり、子どもたちが巣立っていくと、あっという間だったと感じます。

特に、不安で悩んでいたときには、出口の見えないトンネルの中を長い間さまよっているように感じていたけど、過ぎてみると一瞬に感じるくらい速かった、と感じます。

私も、二人の息子たちが幼い頃の写真を見ると、
この頃の一瞬一瞬が宝物のような時間だったんだなあ
と思います。

毎日毎日一緒にいると、いつの間にかいることが当たり前に感じるようになります。
大騒ぎで兄弟げんかしている姿を見てると、元気なのも当たり前だと思うようになります。
そうなるとついつい一緒にいる時間を大切に過ごさなくなります。

当時私は、消防士でしたから、たくさんの現場に出動する中に、子どもとの一緒に過ごす日々が、大切な時間だということに気づかせてくれる現場に遭遇しました。
そのことを時々思い出しては、子どもたちの存在のありがたさ、元気でいてくれることのありがたさを感じてました。

そのひとつは、
お母さんと幼い兄弟が乗っていた車が事故に遭い、亡くなるという悲しい出来事でした。
ちょうと私の二人の息子たちのように幼い兄弟でした。
30年近く経った今でも、その時の映像は鮮明に脳裏に焼き付いています。
3人の救急隊員が、涙を流しながら搬送しました。
次の日も、次の日も、亡くなった子どもの可愛い姿が蘇っては涙が流れました。
そのたびに、自分の息子たちを抱きしめました。

講演会でそのエピソードを話している動画です.

人が生まれて成長していくことは奇跡

救急出動の種別に「分娩」あります。

家にいるときに急に破水して出産というようなこともあれば、産気づいたので要請がある場合もあります。
私の場合は、搬送中に出産というケースは経験していないんですが、妊娠数ヶ月という段階での出産に出動したことがありました。
初めて見る小さな赤ちゃんで、呼吸をしていませんでした。

一般的な新生児の大きさではなく、手のひらに載る大きさで、触るのが怖くなるほどの小ささでした。
手のひらの上で、人差し指で小さく小刻みに心臓マッサージをしながら搬送しましたが、残念ながら助かりませんでした。

無事に生まれるということはすごいことなんだ、と思いました。
人が生まれて成長していくって、とてもすごい奇跡みたいなものだとも思いました。

私の子どもたちも、奇跡的に妻のお腹に宿ってくれて、無事に生まれて、おっぱいを求めて必死に泣きながら生きてくれたんだと思いました。
そのことを思い出すと、子どもたちがおもちゃを放り投げては大騒ぎしている姿も、とても大切な時間に思えました。

子育てに疲れたときには、子どもたちが生まれてきたときのことを思い出しました。
思春期になると、どう関わっていけばいいんだろうか、と悩んだときにも、可愛い盛りに事故で亡くなった子や、せっかく母親のお腹に宿ったのに亡くなってしまった子のことを思い出しました。

騒々しく兄弟喧嘩をする子どもたちを見ながら、こんなふうに悩ませてくれるまでに成長してくれたんだ、と思いました。

講演で遊ぶ幼い兄弟

もし、あなたが今、子育てに悩み、疲れ果てていたら、自分のがんばりを認めて褒めてあげてください。
それでも、子どもとずっと一緒にいると、苦しくなることもあります。

そんなときには、子どもと遊んでくれる親や兄弟・姉妹がいるなら、その人に任せて一人の時間を過ごしてみてください。
子どもと離れる時間を作ることで、子どもがよけいに可愛く感じられるようになると思います。

いろいろと骨の折れることや、途方に暮れることだってあるでしょうが、そんな時でも子どもとの宝物の時間を過ごしてください。

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