「おじいちゃん、おばあちゃんが子育てに口を出して困ってます。どうすればいいんでしょうか?」
子育てや人権参観日の講演後の質疑応答に、ときどきそんな質問があります。
これはなかなか簡単には解決しない問題ですね。
「すごくストレス溜まってるんです」とおっしゃる方もいました。
都会から田舎に嫁いで来てとまどっているのに、いろいろ言われると確かにストレスは溜まりますよね。
それに世代間の感覚の相違は、なかなか埋められません。
同居していない家庭でも、同じような悩みは多いはずです。
おじいちゃんおばあちゃんがなかなか話を聞き入れてくれないという場合もあるでしょうが、あきらめずに対話をしていきましょう。
対立してしまったら、子どもが間にはさまれて戸惑うばかりです。
おじいちゃんおばあちゃんをないがしろにしない
たとえ意見が食い違っても、おじいちゃんもおばあちゃんも、孫に対して強い愛情があることには間違いありません。
親だと、子どもとの距離が近すぎて見えないところが見えることもあります。
昔は、親の目が行き届かない部分を、近所の大人たちが補ってくれた時代もありました。
親が、子どもの成績しか関心を持っていなくても、子どものほかのいいところを近所の人が見てくれてほめたりしました。
「お前、走るの早いなあ」
「君は、弟に優しくしてやって偉いなあ」
などと、子どもの美点を親が認めてあげていなくても、しっかりほめてくれました。
そのおかげで自己評価を低くしないで成長できた子どももいました。
しかし現代は、近所の人がかかわるとその子の親から苦情を言われることがあります。
どうかすると警察に通報されかねませんから、口を出すことがなくなってしまったのが現状です。
そこで、おじいちゃん、おばあちゃんの登場です。
親の足りない部分をどんどん補ってもらいましょう。
私自身も、子どものころは荒れていて、素行の悪い問題児ですが、母方の祖母が愛情を注いでくれたおかげで、なんとかまともに成長することができました。
祖母の存在がなかったら、今頃どんなことになっていたかわかったものではありません。
その頃のことをこちらに書いています。
無条件の愛情は裏切られない
親を大切にするところを子どもに見せる
「友達と仲良くしなさい」
「差別したり、いじめたり、絶対してはいけませんよ」
そんなふうに日頃から教えてくれていた親が、おじいちゃんおばあちゃんと激しく口論して、陰でおじいちゃんおばあちゃんの悪口を言っていたのでは、親としての信用を失ってしまいます。
もちろん、お互いに人間ですから、カッとなることもあると思います。
そんなときのために、ぜひ「アンガーマネジメント」を学ばれることをおすすめします。
怒りをコントロールできるようになれば、何より子育てでのイライラを爆発させることが少なくなり、子どもにもいい影響を与えることになります。
冷静におじいちゃん、おばあちゃんと話しあうことがいい結果につながります。
親を大切にするところを、しっかりと子どもたちに見せることが、学校では教わることのできない大切なことを教えることになります。
子どもが成長していく過程で、その成果を見せてくれることになるはずです。
尾木ママがこう言ってますよ作戦
おじいちゃんおばあちゃん世代に、今の子育て法の有効性を伝えても耳を傾けてくれない場合があると思います。
そんな時には、自分たちの意見ではなく、第三者の意見なんですよ、と伝える方法もあります。
マスコミによく登場される尾木ママ(尾木直樹先生)が、以前テレビ番組でこんなことをおっしゃっていました。
現代は脳科学が進んでいろんなことが解明されているので、昔の子育ての常識とは大きく変化しています。
おじいちゃん・おばあちゃんは口を出さないで、後方支援してください。
このことを、「テレビで尾木ママがこう言ってましたよ」と、第三者の意見として伝えるという作戦も有効性があると思います。
おじいちゃんおばあちゃんには、ときどき孫の子守をしてもらったり、分からないことを教えてもらったりなどの後方支援してもらうという形で、孫育ての時間をプレゼントしてあげましょう。
まとめ
おじいちゃんおばあちゃんをリスペクトしながら、自分たち親の子育て方針を見守ってください
自分たちも親として成長していきたいので、試行錯誤することもあるけど、まずはまかせてください、と伝える。
自分たちに分からないことは教えてください、とお願いする。
人は頼られ、必要とされると嬉しいものです。
子どもには、お父さんお母さんも、おじいちゃんおばあちゃんも、みんなあなたのことが大好きなんだよ、と伝える。
イラっとしたらアンガーマネジメント。
そして最後にもうひとつ。
おじいちゃんおばあちゃんが、孫を多少甘やかしても大目にみる。
孫を可愛がるのは、じいちゃんばあちゃんの生きがいです。
親には甘やかしているように見えても、じいちゃんばあちゃんにとっては、自分たちが必死に子育てしていた時代にはできなかった形の愛情表現でもあるのです。
ぜひとも、じいちゃんばあちゃんに孫育ての醍醐味を与えてあげてください。