上から目線の友人への対処法|心を守る人間関係の見直し

カフェで話す二人の女性

友達と会ったはずなのに、帰り道では気分が重い。

その場では笑って別れたのに、家に帰ってから、相手に言われたことを何度も思い出してしまう。

「あの言い方は、何だったんだろう」

「なぜ、私の話を最後まで聞いてくれないんだろう」

頭の中では、相手との会話の延長戦が続いています。

楽しいはずの友達との時間なのに、会うたびに自分が少し小さくなったように感じる。そんな関係に疲れていませんか。

私にも、話を遮られ、自分の考えを否定され続けた経験があります。

相手が分かりやすい悪人なら、嫌って離れることもできたかもしれません。しかし、実際の人間関係はそれほど単純ではありませんでした。

目次

消防生活で最もストレスを感じた上司

会議で叱責される消防士

消防士時代、私が人間関係で最も強いストレスを感じたのは、ある上司との関係でした。

その人は、自分の経験と判断に絶対的な自信を持ち、私の話を最後まで聞こうとしませんでした。

「俺の言うとおりにしておけば間違いない」

何度も、そう言われました。

もちろん、上司の言うことがすべて間違っていたわけではありません。しかし、どれほど経験を積んだ人でも、知識や判断が常に正しいとは限りません。私にも、現場での経験から、どうしても譲れない考えがありました。

意見が違うことよりもつらかったのは、私の考えを最初から聞こうとしてもらえなかったことです。

もし、その上司が悪意に満ちた傍若無人な人であれば、単純に憎むことができたかもしれません。

しかし、そうではありませんでした。

強引なところはあっても、仕事ができ、判断も速く、多くの部下から尊敬を集めている、いわばスーパーマンのような存在でした。

だからこそ、私は苦しくなりました。

「これだけ立派な人とうまくいかないのは、自分のほうが間違っているのではないか」

「自分の考えが浅いから、話を聞いてもらえないのではないか」

そうやって、相手ではなく自分を責めるようになっていったのです。

よいところもある。助けてもらったこともある。周囲からも評価されている。

それでも、その人と話すたびに、自分が少しずつ小さくなっていくように感じました。

やがて、その人と同じ空間にいることさえ息苦しくなり、いわゆる「プチうつ」のような状態になりました。

相手が立派な人であることと、自分がその関係に傷ついていることは、別の問題です。

相手に悪意がないから、かえって離れにくい

上司と友達では、関係が違います。

それでも、相手によいところがあるために、「嫌だ」と感じる自分を責めてしまう点は似ています。

以前は親しかった。助けてもらったこともある。ほかの人からは好かれている。いつも嫌な人というわけでもない。

そのような相手だからこそ、

「自分が気にしすぎなのではないか」

「友達なのだから、これくらい我慢しなければ」

と思ってしまいます。

しかし、相手に悪意がないことと、こちらが傷ついていないことは同じではありません。

相手にも事情があるのかもしれません。自信のなさから上に立とうとする人もいれば、自分の話し方に気づいていない人もいるでしょう。

けれど、相手の心理をいくら分析しても、こちらの疲れが消えるわけではありません。

大切なのは、「なぜあの人はこうなのか」だけを考え続けることではなく、「私はこの関係をどう感じているのか」に気づくことです。

友達との関係を見直したほうがよいサイン

次のようなことが続いていないでしょうか。

  • 話を最後まで聞かず、すぐに結論や助言を押しつけてくる
  • こちらの経験に対して「そんなの大したことない」と競ってくる
  • 成功や喜びを話すと、欠点を探して小さく扱う
  • 相手の自慢話を聞く時間ばかりが長い
  • 自分の意見を言うと、説教や否定で返される
  • 会う前から気が重く、会った後も長く気分が沈む

一度や二度なら、誰にでもあるかもしれません。私自身も、気づかないうちに誰かの話を遮ったり、偉そうなことを言ったりしてきたかもしれません。

問題は、それが繰り返され、こちらがいつも我慢する関係になっていることです。

友情とは、片方が教え、もう片方が教えられ続ける関係ではないはずです。

まずは、小さく境界線を伝えてみる

相手との関係を大切にしたいなら、いきなり縁を切る前に、自分の気持ちを小さな言葉で伝えてみる方法があります。

「ごめん、まず最後まで聞いてもらってもいい?」

「私は、少し違うように感じているよ」

「その言い方をされると、嫌な気持ちになる」

冗談でごまかさず、怒りを一気にぶつけず、その場で短く伝えます。

それを聞いて、相手が謝ったり、話し方を変えようとしたりするなら、関係を立て直せる可能性があります。

人は、自分の話し方の癖に気づいていないこともあります。友達として大切に思っているからこそ、言葉にする意味はあると思います。

変わらないなら、会い方を変える

気持ちを伝えても同じことが繰り返される場合や、伝えること自体が難しい相手なら、会い方を変えてもかまいません。

  • 二人きりでは会わない
  • 会う時間を短くする
  • 自分から連絡する回数を減らす
  • 否定されやすい話題を話さない
  • 説教が始まったら、話題を変えるか会話を終える

相手を変えようとするより、自分がどの距離なら無理なく付き合えるかを考えます。

誘いを断るために、毎回もっともらしい理由を用意しなくてもよいと思います。

「その日は都合がつかない」

「最近、少し一人で過ごす時間を大切にしている」

それくらいでも十分です。

昔の友達でも、離れてよい

以前は、一緒にいることが楽しかった。互いに親友だと思っていた。

それでも、年月とともに、生活や価値観は変わります。以前は対等だった関係が、いつの間にか、相手が上で自分が下という関係に変わることもあります。

昔、仲が良かったことは、今も傷つけられてよい理由にはなりません。

長い付き合いは、これからも同じ距離で付き合い続けなければならない契約ではありません。

距離を取ることは、相手を憎むことでも、過去の楽しかった時間を否定することでもありません。

今の自分に必要な距離へ、関係を置き直すだけです。

職場など、簡単に離れられない場合

友達とは距離を置けても、職場の上司や同僚とは、そう簡単にはいきません。

そのような場合は、相手との関係をよくしようと頑張りすぎず、必要なやり取りに絞ることも一つの方法です。

  • 仕事に必要な内容を簡潔に伝える
  • 指示や決定事項を記録に残す
  • 一人で抱えず、信頼できる同僚や相談できる部署に話す
  • 心身への影響が続く場合は、休むことや専門家への相談も考える

私が当時つらくなったのは、自分一人で相手の評価を覆そうとし、「分かってもらわなければ」と頑張り続けたことも一因だったように思います。

相手に認めてもらうことより、自分の心身を守ることを優先してよいのです。

限られた時間を、誰と過ごすか

私は消防・救急現場で、昨日まで当たり前に続くと思っていた日常が、一瞬で失われる場面を何度も見てきました。

その経験から、生きている時間は決して当たり前ではないと感じています。

だから私は、自分の限られた時間を、会うたびに心をすり減らす関係に使い続けなくてもよいと思っています。

もちろん、気に入らない人をすべて遠ざければよい、という話ではありません。自分にも未熟なところがありますし、相手から教わることもあります。

それでも、いつも自分だけが我慢し、会うたびに自分を嫌いになるような関係なら、見直してよいのではないでしょうか。

友達だから我慢するのではなく、友達だからこそ対等でいたい。

それができない関係なら、少し離れることも、自分の心を守るために必要だと思います。

心の健康を、講演でお伝えしています

私は現在、全国各地で心の健康をテーマに講演活動をしています。

消防士時代に経験した人間関係の苦しさや、心が疲れたときに自分を守ることの大切さを、実体験とオリジナルソングを交えながらお伝えしています。

人間関係の悩みは、外からは見えにくいものです。相手が立派に見えるほど、「苦しいと感じる自分が悪い」と、自分を責めてしまうこともあります。

しかし、相手を理解することと、傷つけられ続けることは別です。

職場や地域で、心の健康や人間関係についての講演を企画されている方は、心の健康講演会の内容をご覧ください。

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心の健康

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