心の元気講演家 石川 達之ホームページ

傾聴

高齢者介護施設の車両

介護老人保健施設職員さんに「接遇」について話す

介護老人保健施設でのお仕事は、かつては私の妻もその業界で働いていたので、かなりストレス度が高い職業ではあると知っていました。

ストレス度も高いけれど、やり甲斐もあり、絶対に必要な業種であるのは、私がかつて勤めた消防と同じだと思います。

そんな介護老人保健施設職員さんお話する機会をいただきました。

5月27日に開催された、鳥取県大山町の介護老人福祉施設小谷苑の職員研修会でした。
「接遇」について話してください
というご依頼でした。

講演を行った介護老人福祉施設の外観

「接遇」のプロ中のプロである皆さんですから、私などより経験値も高く、日頃から勉強もされているに違いありません。

それでもせっかくお話する場をもうけていただくのですから、私ならではのお話をしたいと思いました。

私の前職である消防は、火災、救急、救助と、現場で勇猛果敢に活動しているイメージが強いと思います。
実際に、そういう活動がメインなんですが、そんな中で人と接触すると、トラブルもかなり激しいものになることが多いのです。

自分の家族や、親しい人が大ケガをしたり、目の前で息を引き取ろうとしている状況で、突然常軌を逸した行動に出る人もいます。

救急隊員につかみかかる人もいます。
消火作業中に、その筒先を奪い取ろうとする人もいます。

そういう場合は、こちらの対応いかんで大きな問題になりかねません。

現場だけではなく、消火訓練や避難訓練時や、予防査察のときなどもトラブルになることもあります。
クレーマーのようなからみ方をする住民もいますが、それに対応する署員もいろいろタイプがあります。

自分では「接遇」がちゃんとできているつもりでも、言葉づかいは丁寧なんですが、相手の気持ちを逆なでして、しょっちゅうトラブルを引き起こす人もいました。

私は、ほとんどトラブルになったことがなく、むしろ他の職員が引き起こしたトラブルを収めに行かされるほうでした。

もともとどちらかに悪意があるわけではないのに、どうしてここまで憎しみあうまでになったんだろう、と驚きました。

間に立って両者の話を聞いていると、会話のどの箇所で激怒したのかがよくわかりました。

介護している老人と職員が手を繋いでいる

私は、消防局を早期退職した翌月から、毎週大阪にメンタルヘルスの勉強に通いました。

そこで学んだことや、講演・研修講師として出会った人たちとの出会いの中で、わかったことがありました。
それは、普段わたし達が使っている普通の言葉でも、相手の心理状態によっては心に傷をつけたり、感情の導火線に火をつけることになるということです。

普段は元気な人でも、心が弱ったり、心配ごとがあったりした場合は、元気づける言葉や励ましの言葉が、逆に相手を傷つける場合があります。

元気な人からすれば何でもないことでも、心が弱った人には大きな負担になることがあります。
普通のことが、とても危険に感じられることがあります。

心が弱った人の心理傾向を知らなければ、助けるつもりがかえって苦しめることになってしまうことも多いのです。

心の病気を経験した私の家族や、私が出会った人たちから聞いた実例をお話させていただきました。

確かに、中には常習犯扱いされるクレーマーのような人もいるかもしれません。
そんな人も、ひねくれた捉え方をするに至る理由が、必ずあるはずです。

自分の心が元気だと、そんな心理がなかなか理解できないかもしれません。
しかし、
「こんな言葉では、こんなふうな捉え方をする場合がある」
と知ることで、相手の弱った心の苦しさに歩み寄ることができます。

「研修会」といっても、そこは私がやる研修会ですから、堅苦しいものにはしません。
歌も入れ、ギャグも入れ、しっかりと笑いと涙で心を動かしながら聞いていただけたようです。

研修会終了後の理事さんの挨拶をお聞きして、管理職の方の心労もたいへんなものだと、あらためて知ることができました。

「とにかく私自身も、石川さんのお話が聞きたいと強く思ってお願いしました。
本当に心の元気をいただきました」
そう言っていただき、こちらこそ大きな元気をいただきました。

isikawakenpos

心を支える言葉の力(自殺防止対策強化月間講演会)

メンタルヘルスというと、聴き方、話し方についての講習・研修が多いと思います。

心無い言葉で心を傷つけられて、生きる力を失いそうになることもあれば、たったひと言が弱った心を支えてくれることもあります。

2018年3月21日の春分の日は、石川県能美市に自殺防止対策強化月間講演会の講師として呼んでいただきました。

今回は演題の「救急現場で学んだいのちの重さ」「心を支える言葉の力」というサブタイトルをつけさせていただきました。

辰口福祉会館交流ホールの外観

ホテルまで迎えにきていただいた能美市の福祉課の方と、会場までの道中にいろいろとお話しました。

メンタル不調の方とのやり取り、自殺予防やグリーフケアの取り組みについてなど、日頃のお仕事のほんの一部をおききしても、その大変さが伝わってきました。

例年80人くらいの参加だと伺っていたのですが、当日はなんと120人以上の方が参加されたそうです。

能美市自殺予防講演会で話す石川

自己紹介に満席の会場に笑いがおこり、和やかなムードになりました。

いつものように、実際の現場での体験を話しましたが、リアルに状況を伝えようとすると、数十年前の光景がよみがえり、今でも少し息苦しくなります。
会場では、たくさんの方がハンカチで顔を覆ったり、メガネを取って涙を拭かれていました。

講演中、いつか私の講演がメンタル不調の予防になって、言葉に気をつける思いやりへとつながってくれることを願いながら歌い、話しました。

「そんな大きな力を持つ言葉を使うなら
相手を傷つけたり、苦しめることに使ったりしないで
相手が笑顔になったり、幸せを感じてもらえて
自分自身も幸せになるために使いましょう」

質疑応答になると、なかなか手が上がらないことが多いのですが、積極的に挙手される方が何人もいらっしゃって、参加された皆さんの真剣度が伝わってきました。

能美市自殺予防講演会で質疑に答える石川

講演が終わったあと、何人もの方が控室まで来られました。

その中に医師の方もいらっしゃって、
「今日のお話を聞いて、連日診察に追われて自分でも気づかないうちに、大きな疲労を溜め込んでいたことに気づきました。自分が元気じゃないと人を元気にすることができませんよね。ほんとにいい話をたくさん聞かせていただきました」
と言っていただきました。

冬に戻ったような寒い日でしたが、能美市の皆さんとあったかい時間を共有できた幸せを感じさせていただきました。

翌日帰宅すると、参加された方からメールが届いていました。

「もっと多くの方にこの感激を広げたいのですが、
町内会のような単位でも講演をお願いすることはできますか?」

というとても嬉しい内容でした。

勿論、町内会も、全国どこへでも伺います。
またその方とも再会できて、さらに新たな出会いもあることを楽しみにしています。

なお、当日の講演内容をテレビこまつさんが、5月1日〜15日までの間リピート放送されるそうです。

能美市自殺予防講演会のチラシ
項 目内 容
講演会タイトル能美市自殺防止対策講演会
日 時2018年3月21日(水)
演 題「救急現場で学んだいのちの重さ ~心を支える言葉の力~」
場 所石川県能美市辰口町 辰口福祉会館交流ホール
理容師組合講演会で歌う石川

散髪屋さんの歌【理容師会講演】

2013年12月9日は、倉吉理容師会さん主催の「あなたの心を元気にする! ゆかいで楽しい講演会」でした。

演題は「聴く力、共感力をいかに高めるか」とカタメですが、内容は至って柔らかめです。

私にとってのこの日のメインは、なんと言っても書き下ろしオリジナルソング「散髪屋さん」でありました。
私にとってもとても楽しみなこの講演会を、日本海新聞さんに取材もしていただきました。

理容師会の講演会で話す石川

事前に役員さんとの懇親の場を設けていただいた折りに、みなさんの「理容」に対する熱い思いをお聞きしました。
理容の世界のイロハの「イ」も分らない者が、散髪屋さんをテーマにした歌なんか作っていいのか、という気持ちもありました。

でも、考えてみれば、生まれてから何百回か髪を切ってもらった身としては、「町の散髪屋さん」に対する自分なりの思いもあります。

小学生の頃には、遊びたくて、散髪に行くのが嫌で逃げ出したものでした。
とっつかまって、無理矢理連れて行かれて、イスに座らせられても落ち着きがなくて、おじさんに叱られたこともあります。

反抗期で生意気盛り、髪は長髪でイキがっていた高校生の頃に通った散髪屋さんでいろんな話をしました。
学校の先生や親には反抗しまくっていたのに、散髪屋さんのおじさんやおばさんとは、なぜか普通に話ができました。

この日の講演演題は「聴く力、共感力をいかに高めるか」でした。
私が子どもの頃に通っていた散髪屋さんのおじさん、おばさんは、傾聴力や共感力に優れていました。

そんな「傾聴」「共感」について、消防士時代の体験を交えてお話させていただきました。

理容師会の講演会で歌う石川

「散髪屋さん」歌詞

古くさい町並みに飽き飽きして
飛び出したのは ずいぶん昔
こんな田舎でも久しぶりに
帰ってみれば変わってるもんだね

子供の頃に通ってた散髪屋さん
店の構えも変わったけど
頭を動かしては叱られた
あのオヤジさんによく似た二代目

年を取って大人になれば
さびしさはなくなると思ってた
さびしさのとなりに優しさがあることが
やっとわかってきました

十年ぶりにイスに座って
ボサボサに伸びたこの髪を
ばっさり切ってもらいながら
懐かしい話に花が咲く

ヒゲを剃って体を起こし
のぞいた鏡の向こう側に
一瞬、子供の僕がいた
ちょっと泣きそうに笑ってた

年を取って大人になれば
夢なんてなくなると思ってた
夢を見ることが特別じゃないこと
やっと分ってきました

帰る家はなくなっても
帰る町はここにある
子供の頃から通ってた散髪屋さん
新しい歩みを教えてくれた

年を取って大人になっても
なくせない物があると知った
思い出のとなりに明日があることに
やっと気づけた気がします

懐かしい通りのあの散髪屋さん
夕暮れの中で明りが灯ったよ

歌いながら、子供の頃に実際に通っていた散髪屋さんのことを思い出しました。
この曲はこれから歌い込んでレパートリーに入れていこうと思います。

当日は、理容業界の方や、業界外の方や、たくさんの方にご来場いただきました。おかげさまで満席、立ち見まで!
会長さんや役員さんがいろんな場面でPRしてくださったおかげです。ありがとうございました。

体験談や歌で面白おかしく(日本海新聞)

日本海新聞記事

倉吉理容師会(戸崎 恭一郎会長、48人)は、倉吉市上井町1丁目の新日本海新聞社中部本社ホールで、シンガーソングライター講師の石川達之さんを迎え「ゆかいで楽しい講演会」を開いた。

石川さんは消防士時代の体験や家族への思いを伝え、方言を交えた歌で会場を笑いに包んだ。

テーマは「聴く力、共感力をいかに高めるか」

石川さんは早期退職した消防士の体験から命の大切さについて感じたことや子供のエピソード、家族のうつに直面した経験などを紹介。
「うつも個々それぞれなのでマニュアル通りではない。想像力が大切」とアドバイス。

方言の英才教育を受けたという両親へも「『育ててくれてありがとう』と感謝」の言葉を伝えることで気持ちが楽になった」と面白おかしく紹介していた。

また、この日のために作った曲「散髪屋さん」も初披露し、大きな拍手が送られていた。

項 目内 容
講演会タイトルあなたの心を元気にする!ゆかいで楽しい講演会
日 時2013年12月9日
演 題「聴く力、共感力をいかに高めるか」
場 所鳥取県倉吉市 新日本海新聞社中部本社
主 催倉吉理容師会
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