鳥取県から徳島県まで、車で約4時間。
瀬戸大橋を渡る途中にあるサービスエリアで休憩中、穏やかな瀬戸内海を眺めていて、ふと思いました。
こうして誰かに「話を聞きたい」と言ってもらえることが、どれだけありがたいことか。
2026年2月14日、徳島県勝浦郡勝浦町で開催された「令和7年度勝浦町人権講演会」に講師としてお招きいただきました。
今回は、この講演の様子をお伝えしたいと思います。
鳥取から徳島へ。雪道を越えて四国へ

実はこの講演、当初は1週間前の開催予定でした。
ところが衆院選と重なったため、急遽1週間後に変更になったのです。
結果として、これが幸いしました。
もし予定通りだったら、大雪注意報発令中の鳥取県から、岡山県との県境まで移動することもできませんでした。
1週間後の当日も、鳥取から岡山への山越えでは道路に雪が残っていました。
しかし四国に渡ると、まるで別世界。
青い空、暖かな日差し、どこにも雪など見当たりません。もうほとんど「春」でした。
1年ぶりの瀬戸大橋の眺めは、やっぱり素晴らしかった。
穏やかな瀬戸内の海を眺めながら、風景の素晴らしさと明日の講演への期待感に心が満たされました。
会場には約100人。子どもからお年寄りまで

会場は、勝浦町農村環境改善センター。
到着すると、会場の壁には私の講演ポスターが何枚も並べて貼ってありました。
こうして丁寧に準備してくださっていることが、講師としてはとても嬉しいのです。

この日の参加者は約100人。
驚いたのは、年齢層の幅広さです。
ふつうは、好天の週末の昼間となると、若者や子どものいる家族はお出かけされて、会場はほとんどがご高齢の方というパターンが多いものです。
ところがこの日は、ご高齢の方はもちろん、小さなお子さんを連れたご家族も何組も参加されていました。
人権講演会というと堅いイメージを持たれるかもしれませんが、私の講演は少し、いやかなり違います。
重たい現場のエピソードもあるので、だからこそ笑いあり、涙あり、そして歌ありの講演にしています。
老若男女問わず楽しんでいただけるよう、いつも心がけています。
消防現場の体験から伝えたかったこと

私は元消防士です。
32年間、命の現場に立ち続けてきました。
救急車で駆けつけた先で見てきた、突然の別れ。
病気で倒れた家族を前に、泣き崩れる人。
「お母ちゃん、私を一人にしないでよー!」と嘆く姿。
何度も、何度も、そういう場面を目にしてきました。
だからこそ、伝えたいことがあります。
今ある命は当たり前じゃない。
なんでもない日常こそが、本当の幸せ。
大切な人への思いは、後悔する前に伝えてほしい。
この日も、消防現場での体験エピソードをつなぎながら、命の大切さ、家族の大切さ、そして「伝える」ことの大切さをお話ししました。
オリジナルソングで会場は笑いと涙に

私の講演では、話の合間にオリジナルソングを歌います。
この日は4曲、ギターを弾いて歌いました。
『校庭~別れの歌~』
どの曲もプロジェクターで動画を流しながら歌います。
この曲は、卒業式がテーマの歌で、学校の廊下、教室、校庭などの画像、部活や投稿シーンなどを映します。
子育て世代の方は、自分が中学生、高校生だった頃を思い出し、親に反抗したことや、いろんなことを思い出して、子育てに活かして欲しい。
高齢の方は、懐かしい頃を思い出すことが認知症予防になると言われているので、かつて初恋で胸がときめいたことや、懐かしい同級生のことなどを思い出していただきたいと思いながら歌いました。
『里帰り』
都会で暮らす息子たちが、久しぶりに帰省する。
そんな何気ない家族の風景を歌にしたものです。
この曲には、歌の合間に鳥取の方言まじりの「語り」を入れています。
語りの部分で会場から笑いが起き、歌の部分になると涙を流す方がいました。
子どもさんは子どもの立場で、子どもがいる方は親の立場で、孫がいる方はおじいちゃん、おばあちゃんの立場で聞いて笑って、泣いていました。
『いなくなるなら』
救急現場で何度も目にしてきた、突然の別れ。
家族が病気で倒れ、事故で亡くなり、嘆き悲しむ姿。
いくつもの現場の光景が胸に焼きついて、自室でギターを弾いている時、自然に歌になっていました。
歌いながら会場を見ると、多くの方が涙を流しておられました。

『梨のうた』
この曲は、山の斜面に広がる梨畑の画像を映し出しながら歌いました。
葉が茂った梨の木がスクリーンに広がる風景を、勝浦町特産のみかんの木に重ねながら、家族やふるさとへの想いとともに聞いていただけたのではないかと思います。
歌には、言葉だけでは届かない何かがある。
歌いながら自分でそう感じる瞬間でした。
消防現場で感じた「命の大切さ」と「日々の暮らしのありがたさ」が、メロディに乗って参加された方々に伝わったのではないかと思いました。
質疑応答で上がった手に感謝
講演が終わると質疑応答の時間です。
正直なところ、質疑応答で手が上がることは、どこの会場でもそう多くはありません。
ところが、この日は違いました。
何人もの方が手を挙げてくださったのです。
「石川さんは子どもの頃、問題児だったというお話がありましたが、どんな子どもだったんですか?」
この質問には、思わず笑ってしまいました。
「この話を聞いて、家族に感謝の言葉を伝えようと思いました。」
この一言を聞けただけで、片道4時間かけて来た甲斐がありました。
そして、こう言ってくださった方もいました。
「話も歌もとても感動しました。ぜひまた勝浦町に来てください。」
鳥取県から徳島県まで、車で往復約8時間。
正直、体は疲れます。
でも、こういう言葉をいただくと、疲れなんて一瞬でふっ飛んでしまいます。
この仕事をやっていてよかった。
心からそう思える瞬間でした。
四国での口コミのつながりに感謝

実は徳島県での講演は、今回が初めてでした。
振り返ると、一昨年は愛媛県、昨年は高知県、そして今年は徳島県。
四国での講演が続いています。
有名人ではないので、おそらく、口コミでつないでいただいたのだと思います。
一つひとつの講演を、自分なりに大切にしてきたことが、次の出会いにつながっている。
そう思うと、本当にありがたいとしかいいようがありません。

↑ 勝浦町の広報紙に掲載していただきました
| 項 目 | 内 容 |
|---|---|
| タイトル | 令和 7 年度勝浦町人権講演会 |
| 日 時 | 2026年2月14日(土) |
| 演 題 | 救急現場が教えてくれた命の輝き ~心を支える人のつながり~ |
| 場 所 | 徳島県勝浦郡勝浦町三溪古川 勝浦町農村環境改善センター |
講演のご依頼をお考えの方へ
私の講演は、「涙と笑いの講演会」と呼んでいただくことがあります。
消防現場での実体験をもとに、命の大切さ、家族の大切さ、日常への感謝をお伝えします。
話だけでなく、オリジナルソングのギター弾き語りも交えた、少し変わった講演スタイルです。
人権講演会、いのちの授業、メンタルヘルス研修、安全大会など、さまざまな場でお話しさせていただいております。
「堅い話は苦手」という参加者の方にも、笑いながら、ときに涙しながら、心に残る時間をお届けします。
子どもからお年寄りまで、幅広い年齢層に届く講演です。
講演のご依頼・ご相談は、お気軽にお問い合わせください。
▶ 講演実績はこちら





