「資格もスキルもない自分に、いったい何ができるのか」
50歳を過ぎて脱サラを考え始めたとき、何度も自分に問いかけました。
32年間消防士をやってきましたが、消防以外で通用する資格は何もありませんでした。
特別な技術もない。
営業の経験もない。
それでも今、全国で講演をさせていただいています。
そこに至るまでの間、ずっと頼りにしてきたのがマインドマップでした。
そして2023年以降は、AIという新しいツールが利用するようになってから、それまで甚だしく時間を要していた作業が、信じられないくらい短時間で終えることができるようになりました。
そのおかげで、自分のオリジナルな部分の発想や、自分の表現方法の追及などに専念できるようになり、更には新たな視点をも導入できるようになりました。
今回は、私が「何もない」と思っていた自分の中に宝を見つけた過程と、今どんなふうにマインドマップとAIを使って仕事をしているかを書いてみたいと思います。
マインドマップで自分を棚卸しした日々

脱サラを考え始めてから、マインドマップで自分自身の棚卸しを何度も行いました。
紙の真ん中に「自分には何がある?」と書いて、思いつく限りのことを枝に伸ばしていく。
資格もない。スキルもない。
書けば書くほど、枝が伸びない。
それでも書き続けました。
消防時代の出来事を、ひとつひとつ思い出しながら。
救急で搬送した幼い子ども。
家族が泣き崩れる姿。
あの現場を経験した自分が、その後どう変わったのか。
マップに書き出しながら、初めてじっくりと考えました。
すると、バラバラだった経験が少しずつつながっていくのが見えてきました。
命の現場に立ち続けたからこそ気づけた、「当たり前の日常」のありがたさ。
それを多くの人に伝えたいという思い。
マップを何枚も描くうちに、「気づき」が「確信」に変わっていきました。
「弱さ」が「強み」だったと気づいた

棚卸しの過程で、意外なことにも気づきました。
私は救急現場のショッキングな光景をいつまでも引きずる性格で、消防士としてはコンプレックスでした。
しかし、その感受性のおかげで、火災原因調査では家を失って途方にくれる方の気持ちに自然と寄り添うことができていた。
同僚が矢継ぎ早に質問をすることでトラブルになるような場面でも、私は、まずは相手の言葉を傾聴することで、心を開いて話してくれることが多かった。
弱さだと思っていたものが、共感力という強みだった。
このことも、マップを書いていなかったら気づけなかったと思います。
消防時代の体験をひとつひとつ書き出して、俯瞰して眺めたからこそ見えてきたことでした。
こうした気づきが積み重なって、講演で何を伝えるべきかが明確になっていきました。
講演の構成もマインドマップで考える

マインドマップは自分自身の経験の棚卸しだけでなく、講演の構成にも使っています。
テーマをマップの中心に書いて、伝えたいメッセージ、エピソード、歌う曲目、時間配分を枝に展開していく。
紙の上で全体を俯瞰できるので、「この話は削った方がいい」「この順番を入れ替えた方が伝わる」ということが見えてきます。
以前は講演の台本をテキストで書いていましたが、マップで考えるようになってから、構成の組み替えが格段に楽になりました。
自分流にシンプルな書き方にしていったことで、出先でも手帳にさっと描けるようになり、思いついたときにすぐ使えるようになりました。
AIという新しい道具が加わった
近年は講演に関わる作業に、AIという新しい道具が加わりました。
GeminiやClaudeといったAIを使っていますが、どのAIを使うかはさておき、大事なのは「AIに何をさせるか」です。
AIは万能ではありません。
けれど、「自分一人では出てこない視点を返してくれる相棒」としては、とても頼りになります。
講演の内容作りに関わることや、講演PRのホームページのリニューアルやSEO対策、ブログ記事のアイデアなどをメインに使っていますが、その他日常生活のさまざまなことに利用するようになりました。
講演の構成をAIと一緒に練り直す
マインドマップで大まかな構成を作ったあと、それをAIに見せて「この流れで伝わるか」「もっと良い順番はないか」と相談します。
たとえば、90分の講演で5つのエピソードを話す場合。
自分では「この順番がベストだ」と思っていても、AIに聞くと「このエピソードを先に持ってきた方が、その年齢層の参加者さんの関心をつかめるのでは」と提案してくれることがあります。
もちろん、最終的に決めるのは自分です。
でも、一人で考えていると煮詰まりがちな構成作業が、AIという壁打ち相手がいることで、スムーズに進むようになりました。
スライドや映像もAIで作る

講演では、プロジェクターでスライドを映写しながら話します。
このスライドの作成にもAIを活用しています。
伝えたいメッセージを入力すると、スライドの構成案を提案してくれる。
説明画面のテキストも、自分の原稿をもとにAIが読みやすく整理してくれます。
国や自治体のサイトは、階層が深く、ページ数が多いために見つけにくい最新の統計のデータも、AIなら数分で見つけてくれます。
さらに、講演の中でオリジナルソングを歌うときには、歌詞に合わせたスライドショー動画を映写しています。
この動画に使う画像の一部も、AIで生成しています。
以前なら、素材写真を探し回ったり、デザイナーに依頼したりする必要があった作業が、AIのおかげで自分一人でできるようになりました。
デザインの専門知識がなくても、「こんなイメージの画像がほしい」と伝えれば、形にしてくれる。
もちろん、そのまま使えないこともありますが、何度かやり取りするうちに、イメージに近いものができあがります。
おかげで現在では、自分の手作業で作るスライドと、こちらの要求を満たしてくれるAI生成のスライドとで、より訴求力のあるスライドが作れるようになりました。
ブログの画像もAIで生成している
講演だけでなく、このブログに掲載する画像もAIで作ることが増えました。
記事のテーマに合った画像を、テキストで指示して生成する。
フリー素材を探す手間が省けるだけでなく、記事の内容にぴったり合った画像を作れるのが大きな利点です。
そもそも、交通事故現場や火災現場の写真素材は、どのフリー素材サイトでも数が少なく、その中でブログ記事のテーマに合うものは、ほとんど見つかりません。
このブログをお読みの方の中には、「AIで画像を作るなんて難しそう」と感じる方もいるかもしれません。
実際にやってみると、コツさえつかめば驚くほど簡単です。
細かい話をすれば、AIの種類によって、得意な画像生成のジャンルが異なりますし、修正するのに融通が効いたり、効かなかったりしますが、それも何度もトライすることで、その個性がわかるようになります。
AIの種類を使い分けることや、異なるAIに共同作業をしてもらうことも、楽しい作業です。
ただ、多くのAIを使うには、サブスク料金には気をつけなければなりませんが。
道具は変わっても、核は変わらない

マインドマップとAI。
この二つは、あくまでも道具です。
核にあるのは、自分自身の体験と学びと、それを届けたいという思いです。
テーマに関して、AIの回答に対してダメ出しをできるだけの知識や、核になる考えや思いがなければ、ありきたりの浅い内容しか返ってきません。
あくまで自分の体験や、オリジナルな部分があってこそのAI利用です。
それでも、自分の体験のどの部分に価値があるのか、自分の考えのどの部分がオリジナルかを探るためにも、とても有能な存在です。
私で言えば、
消防現場で命の大切さを学んだこと。
「当たり前」が当たり前ではないと気づいたこと。
大切な人に感謝を伝えることの意味。
それを講演で、歌で、文章で届ける。
その想いは、道具がノートとペンだった頃から何も変わっていません。
ただ、道具が進化したことで、伝え方の幅が大きく広がりました。
今年の3月には、兵庫県の人権啓発の広報紙「きずな」に取り上げていただきました。
「大切な人に思いを伝えよう」というテーマで、講演活動について書いた私の文章を掲載していただいたものです。

その記事にも一部引用しましたが、講演を聞いた方からいただいた感想の中に、こんな言葉がありました。
「恥ずかしかったけど『ありがとう』を伝えました」
「自殺を考えたことがあるけど、今日の話を聞いて何があっても生きてやろうと思いました」
こういう言葉をいただくたびに思います。
マインドマップで棚卸しをして、「自分にはこれがある」と気づけたからこそ、今がある。
マインドマップとAIで、あなたの宝を見つけてみませんか

かつての私と同じように、
「自分には何もない」
「特別な資格もスキルもない」
そう思っている方もいらっしゃるかもしれません。
マインドマップで何度も自分を掘り下げて、ようやく「弱さだと思っていたものが宝だった」と気づけました。
そして今は、AIという道具のおかげで、気づいたことをより多くの形で届けられるようになりました。
マインドマップもAIも、難しいものではありません。
紙とペン、そしてスマホやパソコンがあれば始められます。
あなたの中にも、まだ気づいていない宝が眠っているかもしれません。
まずは一枚、マップを描いてみてください。
AIを、ネットの検索エンジン代わりに使うだけでは、とてももったいないです。
ぜひ、AIに「この経験にはどんな強みが隠れている?」と聞いてみてください。
自分では思ってもみなかった視点を与えてくれるかもしれません。
この記事で紹介した「マインドマップで人生を棚卸しする方法」を、Udemy講座にまとめています。
紙とペンだけで、自分の経験の中に隠れた強みや生きがいの種を見つけるワークです。
→ 人生の転機を「生きがい」に変えるライフストーリーマップ
整理した体験を人の心に届くストーリーに変える方法はこちらの講座で解説しています。
→ 共感ストーリー・ライティング





