心の元気講演家 石川 達之ホームページ

感謝

両親に感謝の言葉を伝える娘

【感謝の力】私の人生を変えた「ありがとう」

あなたは日々の生活の中で、お世話になった人たちに感謝の思いを伝えていますか?

照れくさくて言い出せなかったり、毎日忙しくてそんなことを考える暇がなかったりするかもしれませんね。

あるいは、心の余裕がない日々が続いていて、感謝が心に満ちてくるような瞬間が見つけられないかもしれません。

感謝を伝えることで幸福感が増す

おばあちゃんと孫

しかし、私たちが幸せになるためには、心から感謝することが大切です。

これは単なる私の主観ではなく、様々な調査や研究の結果からも明らかになっています。心からの感謝を相手に伝えることで、我々の幸福感は大きく増すのです。

  • カリフォルニア大学デイビス校のロバート・A・エモンズ博士とマイアミ大学のマイケル・E・マッカロウ博士の研究
  • ポジティブ心理学の分野で有名なペンシルベニア大学の心理学者、マーチン・E・P・セリグマン博士の研究
  • ペンシルベニア大学ウォートン・スクールの研究者たちの研究

それらの研究では、いずれも感謝を伝えることで満足感を得て、幸福感のスコアが上昇したという結果が出ているそうです。

感謝の思いを持てなかった時期

家族の後ろ姿

「感謝すること」が大切だと頭で理解していても、簡単に感謝の念を持つことは難しい時期もあります。

「なんで自分だけがこんな思いをしなければならないんだろう」
「どうして誰も自分のことをわかってくれないんだろう」

そんなふうに、自分だけがつらい思いをしているように感じたり、誰も自分のことを理解してくれないと感じたりするときもあります。

そんな思いが胸の中を満たしているとき、感謝の感情を見つけることは難しくなります。

私自身、感謝の大切さを理解するまでには長い時間がかかりました。
しかし、ある出来事を経て感謝の感情を理解し、その力を体感したからです。

私は小学生の頃、勉強を全くせず、悪さばかりする生徒でした。 そのせいで先生からは厳しく叱られ、周りからは見放されることが多かったのです。その頃の私には、感謝の念を持つこともなく、「ありがとう」の言葉を口にすることはありませんでした。

社会人になっても、仕事に対する感謝の感情はなく、たまたま選んだ職業としか考えていませんでした。

愛する人と結婚しても、何年も過ごしているうちに、一緒にいることが当たり前になってしまい、感謝の言葉を口にすることは少なくなりました。

感謝の思いがあふれ出した出来事

孫娘の笑顔

しかし、二つの出来事がきっかけで私の心が大きく変わりました。

そのきっかけの一つは、私に子どもが生まれたこと
もう一つは、消防現場での体験です。

ある日、出動した現場で見た光景は、私の中途半端でいいかげんな考えを、根底から打ち砕きました。

大けがをした家族を前に、泣き叫ぶ人々の姿
自分自身が血まみれになりながら、愛する家族を気づかう姿

救急車の振動に揺られながら、負傷者の胸部を汗だくになって圧迫しながら蘇生することを祈り続ける長い時間。

命の尊さと向き合い、その現場で感じた衝撃が私の心を大きく変えました。

死亡時刻を医師から告げられ、うなだれて病院をあとにする息苦しい時間。

そんな経験をくり返すうちに、自分の中の何かが、大きく変化していました。

我が子が保育園から帰ってくるのを見るたび、
この世に生まれてきてくれたこと
目の前に存在してくれること
愛する妻が笑いかけてくれること
家族と一緒に話しながらごはんを食べること

なんでもない平凡な日常の一瞬一瞬に対して、感謝の念が湧いてきました。

つらいときこそ「ありがとう」を伝えよう

お母さんのお手伝いをする男の子

それでも、生きていくといろんなことがあります。

予期せぬ不幸な出来事が襲ってくることもあります。
苦しくなって、心の余裕がなくなって、感謝の思いが薄らいでしまうこともあります。

そんなときこそ、「ありがとう」と感謝の言葉を口にすると、投げやりになりそうな気持ちが少しずつ前を向いてくれます。

心の余裕がないときは、ほんの小さなものでもいいので、「感謝」を探してみましょう。

ゆううつな朝に、心が重い夜に、あらためて伝える「感謝」は、少しずつ心を軽くしてくれます。

あなたも今一度、自分のまわりを見渡し、感謝できることを見つけてみてください。
心から感謝することで、幸福感が増し、人生がより豊かになることを願っています。

お寺で歌う石川達之

感謝の源 お寺で講演

コロナ禍のこんな時期だからこそ、今まで以上に「感謝」の思いを持つことが大事になります。

不安や悩みで、心の余裕がなくなると、どうしても「感謝」の思いも薄らぎます。
「感謝」の思いが薄らぐと、自尊感情も低下します。
親しい人の顔を見て、話せることの幸せをあらためて思い知る日々ですね。

昨年(2020年)の12月18日(土)に、鳥取市鹿野町の浄土真宗のお寺「光輪寺」さんの仏壮・仏婦・若夫合同研修会の講師としてお招きいただきました。

鹿野町光輪寺本堂で歌う石川

久しぶりのお寺での講演ということで、とても楽しみにして早めに入らせていただきました。
前日に雪が降り、心配していたほどの積雪にならなくてホッとしました。

お経をお借りして「おつとめ」にも参加させていただきました。
お寺さんでの講演は、講師としてもとても穏やかな気持ちで歌い、話せるので、そこも楽しみなんです。

この日のテーマは「感謝」です。
感謝といえば仏様ですから、檀家の皆さんも日頃から感謝の多い生活を送っておられることだと思います。

これこそ「釈迦に説法」ではありますが、コロナ禍でストレスを感じる日々を送っておられるので、私の話と歌で、いつもとは違う角度から「感謝」について考えていただく時間にしたいと思っていました。

広い本堂で、アンコールも含めて約1時間半やらせていただきました。

開始時間より数時間前から大型ストーブが点火されていましたが、この日の気温はかなり低く、本堂は少し寒かったようです。それでも、予想以上に盛り上がっていただけたようで、安堵の思いで、終了後は参加された皆さんとともにご住職様からお茶をいただき、身も心もあったかくなりました。

鹿野町光輪寺本堂で歌う石川

参加された皆さんと一体になれた充実感で満たされながら帰途につきました。

つい先日、その会の役をされた方から、参加された方の感想をとりまとめたものをメールでいただきました。

・元気が出る講演でした。
・内容が良かった。
・「ありがとう」の気持ちを大切に生きていこうと思います。
・方言がすごく上手くてよく分った。
・父母、娘に感謝してもらえる親になりたい。
・良く笑った。
・免疫力がアップした。
・実話に基づいた話で、あっという間の時間だった。
・もっと多くの人が聞いた方が良い。
・方言が暖かいです。

アンケート内の「今後の研修会についての要望」欄には、

「石川達之さんの講演を希望」
と書かれた方もいらっしゃったとのことでした。
講師としては一番嬉しい言葉でした。

まだまだ先の読めないこの新型コロナウイルスの感染状況ですが、希望を失うことなく、前に向かって進む気持ちをさらに強くしていただきました。

ご住職様、役員の皆様、参加された皆様、本当にありがとうございました。

項 目内 容
講演会タイトル光輪寺 仏壮・仏婦・若夫合同研修会
日 時2021/12/18(土)13:30~15:30
演 題「ありがとうの言葉で幸せに生きる」
場 所鳥取県鳥取市鹿野町 光輪寺本堂
交通事故現場でエアーバッグが出た状態の運転席

生と死の交差点で学んだ「伝えること」の大切さ【鳥取市倫理法人会講話】

ショッキングな光景を目の当たりにして、
今、この瞬間を生きていることがどんなにありがたいことか!
そう心から感じたとしても、平凡な時間の流れの中で、いつしかその思いも色あせていきます。

もうずいぶん昔に、前職の消防士時代に救急出動したある交通事故現場での光景も、いつしか忘れていました。

朝の通勤時間帯に、当時、新しくできたばかりのバイパス道路での普通乗用車の単独事故でした。

意識のない若い女性を、事故車両から救急車へ収容しました。
後続の車両を運転していた負傷者のお父さんに、救急車に同乗してもらい、病院へ向かいました。
お父さんは、意識を失い呼吸のたびに口から血を吐いている娘を、呆然と見つめていました。

病院に収容し引きあげるときも、酸素マスクをつけた意識のない娘を前にして、言葉もかけることもできないくらい衝撃を受けているお父さんの姿が目に入りました。

事故の数ヶ月後、病院からの予後調査票で、その女性が亡くなったことを知りました。

消防士時代には、数え切れないくらいたくさんの交通事故現場に出動しました。
現場到着時にはすでに亡くなっていた人も、搬送後に死亡した人も、たくさんいます。
ショッキングな光景が、今でも忘れられない事故もいくつもありますが、多くの事故の記憶は、時間経過とともに記憶から消えています。
その女性の事故も、よくある単独事故の中のひとつだったので、そんなに思い出すこともありませんでした。

あれから30年以上の月日が経過しました。
当時、まだ幼かった私の二人の息子たちも、30代になり、結婚もして、子どももできました。
息子たちのお嫁さんは、二人ともまだ20代の前半です。そんな二人の姿を見ていると、時々あの事故のことを思い出します。
あの娘さんが、あのとき事故を起こしてなかったら、おそらくは結婚し、可愛い子どもたちに恵まれて、幸せな家庭を築いていたことでしょう。
あのときのお父さん、あれからどんな人生を送ったんだろう、そんなことも考えることもありました。

就職してまだ間もない娘が会社に向かう車に続き、仲良くお父さんも自分の会社に向かうために並んで車を走らせていたんでしょう。
いつもの平凡な、それでいて穏やかで大切なひとときだったのだろうと思います。

なんでもない日常に、縁起でもないことなど考えたくもありません。
それでも、自分の大切な人たちに、
「大切なんだ」
「ありがとう」

と伝えることが、とても大事なことだと、多くの悲しい救急現場のことを思い出すたびに痛切に感じるようになりました。

お墓で先祖に感謝する人

そんな思いから、両親に、妻に、子どもたちに、
「ありがとう」
と言葉で感謝を伝えてきました。

それでも、今考えてみると、その時点で大きな宿題を終えたような気持ちになっていたのかもしれません。

母が亡くなる一年半前に、
「産んでくれてありがとう」
と伝えものの、亡くなってみると、後悔が残りました。

正面向かって感謝の言葉を伝えられたことが、自分の慰めにはなっているものの、
母に対してもっとできることがあったのに、自分の生活に追われて怠ってきたのではないか、と自分を責める気持ちも残りました。

そんな私ですが、一年ちょっと前に一般社団法人倫理法人会に入り、たくさんの方のお話を聞いたことで、
大切なのは、単に感謝を伝えて終わりではなく、感謝し続けることだと気づきました。
そうすれば、もっともっといろんな形で感謝をあらわせたはずです。

これからも、たくさんの自分の大切な人に対して、感謝を行動であらわしていこうと考えながら生活しています。
おかげで、父親との関係も、かつて「育ててくれてありがとう」を伝えた時点よりさらにいい関係になれました。
私の息子たち家族も、よく子どもを連れて実家の父に会いに行ってくれています。

鳥取市倫理法人会モーニングセミナーで歌う石川

2020年1月9日(木)に鳥取市倫理法人会のモーニングセミナーで3回目の講話をさせていただきました。
そんな自分の悩みや迷いに満ちた半生の中で、大きな気づきが得られた救急現場と倫理の話をしようと思っています。

演題は 「生と死の交差点で学んだ『伝えること』の大切さ」でした。

会場は、いつもあったかい鳥取市会員の皆様からたくさんの笑顔でいっぱいでしたので、いつも以上に元気がみなぎりました。

「いなくなるなら」というオリジナルソングを最後に歌いました。

この曲を作ったとき、1番の歌詞を考えながら歌っていると涙が流れました。
いつもは1番の歌詞ができても、2番、3番と悩むのですが、このときは続きの歌詞が自然に浮かんできて、あっという間に完成しました。

歌を聞きながら、肩を小刻みに震わせながら涙をこらえている人もいました。

もともと「伝えることの大切さ」を、人一倍知り、感謝を伝えて来られた方ばかりなので、よけいにテーマが強く伝わったのかもしれません。

鳥取市倫理法人会の皆様、いつもありがとうございます!

鳥取市倫理法人会モーニングセミナー終了後の記念撮影
湯梨浜文化大学開講式会場

人生100年時代を元気に過ごすために心身の健康を大切に【湯梨浜町文化大学講演】

日本の高齢化は、世界で一番。

100歳以上の年齢の方が、なんと約7万人(2018年度)いらしゃるそうです。

今まで世界が経験したことのない高齢化社会を、私達は生きていくことになります。

私の知り合いなど、飲むとよく言います。
「俺は長生きなんてしようと思わない。太く短く生きたいように生きる」
同じようなことを言う人は、たくさんいます。

私が消防士時代、たくさんの病人やけが人を搬送しました。

何百人もの人を搬送しましたが、
「消防さん、私はもう80歳を過ぎましたから、搬んでいただかなくてけっこうです。まあ、このままここでぽっくりと死にますから」
などと言う人は、一人としていませんでした。

多くの人は、
「助けてください。苦しいんです。早く病院にお願いします」
と、必死で助けを求めます。

人間は、基本的に「生きたい」と願うようにできているのだと、いつも感じてきました。

しかし、「長生きしようと思わない」とつぶやく気持ちもわからなくはありません。

なぜなら、今の日本は老後に対して不安なことが山ほどあるからです。

年金制度がこの先もちゃんと維持されるのか
病気になって医療費が払っていけるのか
いずれやってくるだろう孤独な時間に耐えられるだろうか

そんなことを考えると、空を見上げて深い溜め息をつきたくなる気持ちがよくわかります。

3月5日(火)に、鳥取県湯梨浜町文化大学の閉校式記念講演会で講師をつとめました。

湯梨浜町文化大学開講式の会場となった中央公民館

湯梨浜町文化大学というのは、湯梨浜町在住の60歳以上の方が、趣味や勉強の多種あるコースを受講するというもので、毎年度ごとに募集があり、年度末には閉校式があります。

この日も、120人の方が参加されました。

心の元気と体の健康のつながりを中心に、ストレス解消法などについてお話させていただきました。

アメリカ心理学会の調査で判明した、科学的に効果のあったストレス解消法と、効果のなかった解消法について。

「感謝すること」で「幸福感」が高まり、寿命を延ばす、ということを消防の現場体験をまじえてお伝えしました。

感謝の心を持つことは、心理学でも幸福感やメンタルヘルスに良い影響を与えるとされています。

感謝は、ストレスの緩和、自己肯定感の向上、ポジティブな感情の促進、社会的つながりの強化など、幸福感によい影響を与える大きな要素です。

「感謝」や「笑い」の効果についてお話したあとには、私のオリジナルソングをご披露しました。
予想以上の爆笑が巻き起こりました。

ご参加いただいた皆さんの元気をいただき、私自身も健康な100歳を目指して楽しく毎日を過ごそうと思いながらラストの「梨のうた」を歌いました。

項 目内 容
講演会タイトル平成30年度湯梨浜文化大学閉講式記念講演会
日 時2019年3月5日(火)
演 題「人生100年時代に向けて」
場 所鳥取県湯梨浜町龍島湯梨浜町中央公民館
人権講演会中の体育館

何人の中学生が「ありがとう」を伝えてくれるだろうか(中学で人権講演会)

500人の中学生を前に、私が両親に「ありがとう」を伝えたエピソードを話しました。
全員が、講演の最後まで真剣に聴いてくれました。

2019年2月2日に、島根県松江市の松江市立第二中学校での人権講演会でした。

授業参観後の講演で、前列は生徒たちで、のの後ろには保護者さんと先生方が並び、一緒に聞いていただきました。

救急、災害現場で私が体験した、人が生きようとする力のすごさについて話し、なんでもない毎日が本当は尊い時間なんだということを歌をまじえて伝えました。

思えば、私自身が中学生の頃は、自分のことばかり考えていて、親の思いについて考えたことがありまりませんでした。
何かしてもらっても、それが当たり前だと思っていました。

月日が流れ、自分が親になっていろんな体験を重ねていき、やっと親の思いについて考えるようになりました。

大人になれば、もう悩んだり苦しんだりすることはなくなるのだと思っていました。
まさかいずれ自分が子どものことで心配したり、悩んだり、苦しんだりするなんて想像もできませんでした。

親も、いろんな思いをしているんだよ。
切ないほど君たちを愛して、大切に思っているんだよ。

そんなことを、生徒のみんなの両親にかわって伝えました。

中学生を前に講演する石川

「生んでくれてありがとう」
「育ててくれてありがとう」

思春期だとよけいに照れくさくて、素直に言葉にできません。

それでも、その恥ずかしさを乗り越えて、伝えて欲しい。
直接伝えるのが無理だったら、メールでも手紙でもいいから、
今はできなくて、それが数年先でもいいから、
いつかきっと伝えて欲しい。

松江第2中学校のみんなも、あの日帰ってから伝えた人、
伝えようと思いながらも、親の顔を見たら言い出せなかった人
もう少し大人になってから伝えようと思った人
さまざまだと思いますが、いつかは伝えたいと思いを持ってくれたらとてもうれしいなあ、と後日先生からメールで送っていただいた画像を見ながら思いました。

ステージから見ていると、生徒さんで涙を見せた人はごく一部でしたが、その後ろの保護者席では、ハンカチで涙を拭かれている方がたくさんいました。
心が動いてこその講演だと思っているので、それは素直に嬉しくて、講演にも力が入りました。
講演が終わったあと、保護者会役員さんや先生方からは、「泣くのを我慢するのがたいへんだった」というお言葉をいただきました。
そこは素直に泣いていただいてけっこうなんですが、男性は特に涙を見られたくないので我慢するんですね。

中学生を前に講演中に弾き語りをする石川

これからもたくさんの人に、命の大切さや、日常のありがたさ、心の病気の予防などを伝えていこうと、あらためて思った一日でした。
先生方に渡り廊下に運んでいただいた音響機材とギターを、そのまま忘れて車を出してしまいご心配をおかけしましたが、またいつかお会いしたいと思います。
皆さん、ありがとうございました。

翌月、人権担当の先生からお礼の文書と一緒に生徒さんの書いた感想文の一部のコピーも送っていただきました。
プライバシーのこともありますので、そのさらに一部を紹介します。

松江市立第二中学校講演感想文

(お礼文より抜粋)

生徒たちは様々な想いを持ちながら講演を聞いていたようです。また、保護者や教職員の中にも自分の家族に置き換えて考える方、家族の感謝を思い浮かべて心を熱くしていた方もいたようでした。

(生徒の感想文抜粋)

◆歌を歌っているときは、その歌詞に感動して心が熱くなりました。
そして、自分で自分の命をなくす自殺については、けっきょく死ぬのが怖くて、助かったときに生きていてよかったのだと思えるのだと思いました。
もし、自分がそういう状況になったとき、楽しいことを考えるようにしたいです。

◆今日の講演を聞いて私は、生きる力とはすばらしいものなんだとあらためて思いました。
わたしが一番心に残ったことは、言葉の力についてです。
人が笑顔、うれしくなるような言葉をかけてあげたいなと思います。

◆生きていることが幸せなんだということに今日気づきました。
石川さんのおかげで、自分の自殺したいという気持ちがうすまりました。
石川さんの各地の講演で、多くの人々が生きるって幸せだと気づいてくれたらうれしいです。

◆いつも私のために注意してくれる親への感謝の気持ちがいっぱいあるのに、口から出る言葉は違います。
今日、石川さんの話で親の気持ちがわかりました。
今日は言えないけど、今年中には自分の思っている事を親に伝えたいです。

項 目内 容
講演会タイトル松江市立第二中学校人権講演会
日 時2019年2月2日(土)
演 題「生きる力と言葉の力」
場 所島根県松江市西川津町 松江市立第二中学校
中国ブロック寺族婦人研修会鳥取大会の会場風景

人と自分を大切にすること【高野山真言宗寺族婦人会講演】

人は、「大切」だとわかっていても、できないことがたくさんあります。

「健康」というものがどれだけ大切なものであるか、病気をしたときにはあんなに痛切に思い知ったのに、癒えてしまうと、その思いが薄らいでしまう。
遠く離れて暮らしていると、その存在のありがたさを、さびしさとともに噛みしめても、一緒に過ごす時間が長くなればなるほど、感謝の思いを忘れてしまう。
人は、経験した痛みやさびしさを、「大切さ」を思い出すエネルギーにすることで、やっと大切にできるのかもしれません。

大きくへしゃげた車両のドアをこじ開けて、瀕死のけが人を救出したときの光景は、その後にそんな現場をあまた経験しても、忘れられることができませんでした。

一つ一つの現場の記憶は、長年忘れていても、突然蘇ることもあります。
たまたま車で通った道路の片隅に置かれた花を目にした瞬間。
あのとき、そこに確かに必死にもがき苦しみ、助けを求めた人がいた。
そして、すでに息絶えた人もいた。

あれから数十年が経過してもなお、そこに花が供えられていることに、残された家族の存在を見た思いがしました。

そんな思いを抱くと同時に、健康や安全、大切な人の存在について、あらためて考えます。

高野山真言宗寺族婦人会講演会のステージ画像

2018年6月29日は、鳥取市で「第50回中国ブロック寺族婦人研修会鳥取大会」で、2日間の研修会の2日目の講師を務めました。

2日目の研修会でお疲れだったと思いますが、講演では、前半は大いに笑い、後半では多くの方が涙を拭いておられました。

普段から信者さんや地域の方々とふれあい、相談に乗られている皆さんなので、私の話すエピソードをしっかりと受け止めていただけたのかもしれません。
人の生や死や心と向き合っていらっしゃる方々だから、なおさら前のめりになるような感じで聴いていただけたようです。

会場出口風景

人と自分を大切にすること
言葉にすると簡単ですが、なかなか実行できないものでもあります。

私も、自分の担当時間の前後も参加させていただきました。
毎日毎日お勤めをされ、ご説法されて、たくさんの信者さんに人の体と心の大切さや、自分の周囲の人たち、自分のご先祖さまへの感謝を念を持つことを教えていらっしゃることが、よくわかりました。

人のことは一生懸命になるのに、自分を大切にしてあげられてなかったり
自分のことにかまけて、他人を思いやれなかった自分を責めたりする人も多い現代です。
これからも私なりに、優しさや思いやりやぬくもりを、自分とまわりの人に届けていきたいと思った一日でした。

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今ある命を大切に一生懸命生きます!(中学校での講演)

「お父さんやお母さんに、勇気を出して感謝の言葉を伝えようと思いました」

「両親にもっと、『産んでよかった』と思われるような子になりたいと思った」

「当たり前だと思っていたことが、当たり前じゃないと思いました。今、こうしていられることが幸せだと思いました」

5月7日に米子市にある米子市日吉津村中学校組合立 箕蚊屋中学校で、生徒さんに向けて講演をやりました。これはそのときの受講された生徒さんの感想の言葉です。

私の中学時代は、体育館などに集合すると、とても騒々しくてしょっちゅう先生に叱られていたものですが、箕蚊屋中学の生徒さんは、しっかりと真剣に聴いているのがこちらに伝わってきました。

箕蚊屋中学校で講演する石川

数年前から、中学、高校の生徒さんにお話する機会が増えました。

最初の頃は、中学生にどこまで話したらいいのだろう、と内容についてかなり悩みました。
消防現場の凄まじさなど、あまり衝撃を与えるような話は控えたほうがよいのか、とためらうところもありました。

しかし、私自身の中学生時代のことを思い出すと、ビートルズを聴きまくったり、小説を多読したり、大人が鑑賞する内容を背伸びしつつも触れることで、多くのものを吸収しました。

豊かな感受性で、きっとたくさんのことを吸収してくれるのではないか、と思い、大人に話す内容にほぼ近いかたちで話すことにしました。

箕蚊屋中学校講演会の生徒の感想文

ほかにもこんなことを書いてくれていました。

「自分を支えてくれる人がいるのに、当たり前だと思っていて感謝を伝えていませんでした。『いてくれてありがとう』と伝えようと思います」

「今ある命を大切に、いっしょうけんめい生きていきたい」

「『ありがとう』と感謝を伝えたいし、言ってもらえる人間になりたいと思いました」

「人を笑顔にできる仕事に就きたいと思いました」

「ここまで幸せに生きてこれたことにもっと感謝をし、人に必要とされる、そんな人に私はなります」

それを読んでいて、目がウルウルとしてきました。
しっかりと聞いてくれたんだな。
たくさんのことを感じ取ってくれたんだな。
親のこと、友人のこと、将来の自分のこと、そして言葉や行動について、とても真剣に思いを綴ってくれていました。

箕蚊屋中学校での講演会の感想が掲載された学年通信

3-3通信より

石川さんの消防士だった頃の経験から学ばれた、「命の大切さ」や「言葉の重み」、また「幸せとは?」ということについて中心にお話してい ただきました。
約1時間の講演でしたが、ギターの弾き語りやたくさんの写真、エピソードを交えた講演で、あっという間に時間が過ぎました。

私もお話を聞いて、何もない日常のありがたさを強く感じました。命がここにあり、皆さんと出会い、発見や感動など学び多き毎日を過ごすことができていることに、改めて感謝だなあ・・・と思いましたよ!

生徒さんの感想

「幸せとは、『自分が自分らしく、失敗したり後悔したりすることもあるけどあきらめず最後まで生き抜くこと』だと私はとらえました。
最後まで生き抜くためには、周りの人の支えや関わりが必要で、自分1人じゃないんだと感じました」

消防士として色んな現場に行った話の中に、自殺した人の話があ りそれが印象的でした。
言葉で人を死に追いやってしまうこともあり、冷たい言葉は言われた本人だけでなく、その家族や友人も悲しい思いをすると分かりました。
私は普段の会話で、この言葉で相手は傷つかないかなとかあまり考えていないので、気をつけ たいです。

「苦難を乗り越えてこそ、夢にたどりつくとわかったので、僕も簡単にあきらめたりせずに、最後までやりきろうと思いました!」

「『いてくれてありがとう』と私が思っている人はたくさんいるから、私も人からそう思ってもらえる人になりたいです。
私も、周りの人を幸せにできる人になりたいです。将来の夢はまだ決まっていないけど、人を笑顔にできる仕事に就きたいです。
そのために、今から色んなことに興味を持って、積極的に取り組もうと思いました」

「マイナスに考えれば、言葉も人生もマイナスになるんじゃないかなと思った。
だから、感謝や前向きな気持ちを持って生活したい。これは僕の一生の目標だけど、困っている人がいたらすかさず声をかけるようにする、ということを決めた」

「いつもと同じように過ごしている日々が、すべてお父さんやお母さん、友達などみんなのおかげで成り立っていて、そのどれもが当たり前ではなく幸せなんだと思った。
僕は家族みんなに『いてくれてありがとう』や『産んでくれてありがとう』と伝えてみたいです」

そんなふうに書いてくれた彼らは、きっと自分自身も、そして周囲の人も大切にしながら「夢」に向かって歩んでくれるに違いない、と思うと、またもや目がウルウルしてきます。
私自身も、感謝を忘れずにしっかりと思いを伝えて行きたいと思います。

松江市立菅田会館で人権について話す石川

人権講演会で伝えた「幸せは気づくもの」

人権講演会も、最近では内容は多岐に渡るようになりました。

歴史的な背景について
社会制度について
個々人の命を尊重することについてなど様々です。
人権コンサートという形式も多くなりました。

私の講演は、「心」という視点からの話と歌で構成しています。

2018年3月11日の日曜日、松江市にある菅田会館で、初めての菅田会館と川津公民館の合同研修会の講師を務めさせていただきました。

意識もない瀕死の状態でも、人間の体は生きようと必死に戦っているのだという、数々の現場で私が目にしてきたこと、
家庭の中で、家族を大切にすること、出会う人達と心を伝えあうことがどれだけ大切であるかを、愛する人と悲しい別れ方をされた人々の姿を通して教えられたことなどを話しました。

子ども達や家族に教えられ、助けられた日々についてお話し、悩んだり苦しんだりしたこと、楽しくて愛おしい気持ちを歌詞にした曲を歌いました。

何気ない日常が、どれだけ大切なものかを思い知らされた数々の事故現場での活動体験は、同時に、命の大切さを生身の人間から教えられました。

周囲の人を大切にして、自分の命を丁寧に愛していこうと思うようになった経緯を話すと、みなさん前のめりになりながら聞いてくださいました。

大きくうなづきながらメモを取る方、メガネをとって涙を拭く方、いろんな聞き方をされましたが、全員最後までじっくりと聞いて下さったので、私もやり甲斐を感じながらやらせていただきました。

菅田会館と川津公民館の皆さんには、音響機材の運搬から片づけまで手伝っていただきました。
ありがとうございました。

松江市立菅田会館で人権について話す石川

昨日、お礼文とアンケートの結果が送られてきました。
こんなとき、毎回ドキドキしながら目を通しますが、読んでいてこちらまでウルっと来そうになりました。
その一部を、改行以外は原文のまま引用させていただきます。

「ほのぼのとした空気感のある講演会がとてもよかったです。
生命の大切さ、言葉の重みなど、しっかりと考える時間になりました」

「久々にすばらしい講師さんのお話を聴かせていただきました。世界各国のトップの多くが言葉の暴力が飛び交っていますが、残念でなりません。
今日のお話を聴いてもらいたいです」

「『心が満たされていない』『自他に認められていない』と相手の個性や違いを認められないことに気付かされた。
幸せは気付くものというのも、ハッとさせられた。自分の身近な幸せを見出すのは、自分を満たし、認められていることを気付くことになるのかなと考えた。ありがとうございました」

「ソフトな声と素敵なあたたかい歌詞の歌を聞かせていただき、ありがとうございました。私も言葉に気をつけながら義母を介護しています。ていねいな言葉を使うことでお互いによい関係を保てています。言葉の大切さを感じた一日となりました。本当にありがとうございました」

「これから生きる中、石川先生の講義を思い出し、日々を過ごしていきたいと思います。ありがとうございました」

「石川先生のお話は、心に深く染み入りました。
『生きていること』『大切な人がいること』『思いを伝えること』の幸せをかみしめながら、今回から実践していきます」

ほかにもたくさんのお言葉がありました。
少々照れますが、引用させていただきました。

講演が終了して会館を出られる皆さんが、通りかかった私に、ご丁寧なお礼を言ってくださって、私自身も心に残る講演となりました。

松江市立菅田会館で人権について話す石川
項 目内 容
講演会タイトル平成29年度川津地域人権・同和教育研修会
日 時2018年3月11日(日)
演 題「救急現場が教えてくれた命の輝き ~言葉は心を伝えるためにある~」
場 所島根県松江市 松江市立菅田会館
日本海新聞に掲載された石川達之のコラム

感謝の思いを言葉にして(日本海新聞コラム)

2013年10月に「潮流」に寄稿させていただくようになり、3年以上も続けさせていただきましたが、今回でお別れしたいと思います。

今まで書いた40回の「潮流」を通してたくさんの方と出会うことができました。知人はもとより、未知の方から買い物中に話しかけられることや、感想の手紙をいただくこともありました。

予想外な方からも「読んでるよ」と声をかけられ、「潮流」の認知度の高さにあらためて驚かされることがたびたびありました。

「毎月楽しみで、切抜いて保存して読み返しています」とおっしゃる方も何人かいました。

そんな言葉をかけていただくたびに、自分らしく書いてきてよかったと思うことができました。
と言いますのは、以前から他の執筆者の文章を読んでいたこともあり、最初のころは無意識ながら気負うところがあったのか、完成した文章を読み返すと、やたらと小難しい漢語を並べていたことに気づき、何度も書き直しました。

誰も私に高尚な文章など求めているはずがないではないか、と考え直し、生活の中で感じたことや、講演という仕事を通して考えていたことを、等身大の自分の言葉で書くように努めました。

「潮流」を読んで私の存在を初めて知った方から、講演会や研修会の講師依頼をいただいたことも何度かあります。 講演会開催に向けて何人もの方が、「この人の話を聞いてみたい」と働きかけてくださったということを聞いて、そのたびに感謝の思いでいっぱいになりました。

昨年は、鳥取県トラック協会の方が「物流ニッポン」という業界紙に送られた「潮流」の切り抜きがきっかけで、同紙の新聞一面全部に鳥取県の紹介記事を書く機会もいただきました。
そのことがまた新たな出会いにつながりました。

「ネタは山ほどある」と思って始めた本欄の執筆でしたが、最近では、「今回はどんなテーマにしようか」と悩むようになりました。

それでも毎月書きたいと思えたのは(手前みそで恐縮ですが)、「あなたの文章を読んで、
気持ちが楽になりました」「前を向こうと思うようになりました」「自分を否定しなくてもいいんだと知って気持ちが軽くなりました」という感謝の言葉をいただくことがエネルギーになったからです。

最後に、今まで私の駄文を読んでいただいた皆さまに、いつも私が講演で話すように、感謝の思いを言葉にして伝えたいと思います。

「本当に長い間ありがとうございました」

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日本海新聞に掲載された石川達之のコラム

ありきたりの言葉だけど(日本海新聞コラム)

この夏も、講演会でたくさんの人に出会いました。

猛暑の日が続き、壇上の私も汗だくになって話し、歌いますが、参加された人たちも、空調が暑さを和らげるまでの時間、汗だくで聞いていらっしゃいます。

最後まで汗だくなのは私だけで、講演が進むにつれ、汗が引いて落ち着かれ、私の話で弾けるような笑い声が会場に広がるのがわかります。

そんな会場も後半になると、感情移入して聞いてくださるのが伝わってくるような真剣な表情の人が多くなります。ハンカチを手に、涙を拭かれる人があちこちに見られるようになります。

それは何も、私が特別ドラマチックな話を語るからではありません。 消防士時代の現場 体験や、私生活のエピソードを語り、それがきっかけで生まれてき たオリジナルソングを 歌い、心理学の学びをお話しするだけです。

「産んでくれてありがとう」
「生まれてくれてありがとう」
「いてくれてありがとう」

大切な人に対して、 その思いを伝えてくだ さい、という地味なメッセージを、暑苦しくも汗だくで伝えています。

多くの人が、そんな ありきたりなメッセージに涙を流されるのは、誰もが同じ思いを持っているからではないでしょうか。
家族、恋人、友人、同僚が、自分にとって大切な存在だとわかっていて も、その思いを言葉にして伝える人は意外に少ないようです。

「ぜひ、皆さんも恥ずかしさを乗り越えて、言葉にして伝えてください」
どんなに大切な人でも、毎日会っていると、目の前にいることが当たり前だと感じてしまうのが普通なのかもしれません。

私の講演を聞き、照れくささを乗り越えて思いを伝えた人からのメールやお手紙をいただくことがあります。

「勇気を出して父親に 『育ててくれてありがとう』と伝えました。
その時すでに父は病気でした。先日、葬式をして送りました。たくさんの後悔がありますが、感謝の言葉を伝えられたことで持ちこたえられました」

ありきたりの言葉が伝える側も伝えられた側も、どんなに心を温かくし、救ってくれるかを、私の方こそ
改めて教えていただきました。

心臓をギューと絞られるような思いを経験した救急現場のことや、自分の生きている意味すら見失いそうになった私生活の出来事を、歌と話で伝えることをちゅうちょした時期もありました。しかし、そんなメールやお手紙に励まされて、これからも汗だくでメッセージを伝えていこうと思っています。

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